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[MOM3188]清水ユースMF青島健大(3年)_ 盟友・成岡に対抗心。“違いを見せられる男”がチームに勢いもたらす

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清水エスパルスユースの新10番、MF青島健大

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.16 U-18甲信静FOOTBALL LEAGUE「From Now On」 清水ユース3-0山梨学院高 鈴与三保G]

 今年の清水エスパルスユースは、すでに来季からのトップチーム昇格が発表され、5月のルヴァンカップでプロデビューを果たしたMF成岡輝瑠(3年)に注目が集まるが、背番号10番を背負うMF青島健大(3年)も劣らない輝きを放つ選手だ。

 豊富な運動量と一瞬のスピードに自信を持つアタッカーで、変幻自在な仕掛けで決定機を生み出せるのが最大の持ち味。ジュニアユース時代に続き、指導を行う岩下潤監督は「健大はボールを持って違いを見せられる選手。連続して動けるのも特徴」と評する。

 山梨学院高をホームに迎えたこの日の試合でも、彼の良さを随所で感じられた。試合前のミーティングで与えられたミッションは右サイドでの起点づくり。青島と左のMF伊藤滉平(3年)がサイドを仕掛けて高い位置を取り続けられれば、相手のSBは警戒して迂闊に攻め上がれない。与えられた指令通り、序盤から青島が積極的に仕掛けて攻撃のリズムを作ると、前半7分にはFW小塩拳生(3年)とのワンツーから右サイドを抜け出し、FW千葉寛汰(2年)の先制点をお膳立てした。

「立ち上がりに先制点を獲れたのが良かった。自分も良い流れでアシストできたのは良かった」と振り返る一撃でチームを勢いづけると続く12分には小塩が2点目をマーク。その後は、「昨年に比べて今年はサイド攻撃が多くて、このリーグ戦でもクロスからの得点が多い。一つチームとしての武器になっている」と話す通り、自身のタメからDF田島詳基(3年)のオーバーラップを促す場面が多く見られた。

 相手に押し込まれる時間が増えた後半は、今年から任された主将としての顔も見せた。「自分の足りない所を身につけて欲しい。自分に対して物凄く厳しい選手で、自分のことは全力で出来るし、強い気持ちを見せられる。そこにもう一つプラスできればさらに良くなると期待している。なので、今年は彼に『周りを引っ張る意識が身に付けば、プレーも変わるんじゃない?』と声を掛け、キャプテンを任せました」と期待を寄せるのは岩下監督。「声を出す方じゃない」と自認する青島は、「流れが悪い中で背後をとり、相手を後ろ向きにさせようと思った」と味方がボールを奪うとともに前方のスペースに飛び出すなどプレーでチームを引っ張った。

 試合後は、「アシストも良いけど、自分がゴールを奪うのを目標にしている。今日もアシストはできたけど、ゴールは決めていない。目に見える結果を残したい」と口にしたが、3-0で快勝したチームへの貢献度は大きかったのは確かだ。

 中学時代からのチームメイトで、ともに代表にも選ばれてきた成岡のトップチーム昇格は発表されたが、青島の進路はまだ決まっていない。「仲間でもあり、ライバルでもある存在。輝瑠はU-17ワールドカップにも出ているし、トップチームにも出ているので負けたくないという気持ちは人一倍ある」と闘志を燃やす青島の目標は、プロデビュー。今は「遠征とかも行けないので、大学やJのスカウトに見て貰えるのがいつかは分からない。いつ見て貰えても良いように意識しながら、1試合1試合真剣にプレーしている」と全力のアピールを続けている。9月から始まるスーパープリンスリーグ東海は絶好のアピールの舞台だ。盟友・成岡に負けないため、大暴れする準備を進めていく。

(取材・文 森田将義)

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