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[MOM3193]岡山学芸館DF木下叶貴(3年)_スピードと魂でゴール死守。強力FWも封じる小さな“回収屋”

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岡山学芸館高DF木下叶貴は相手の攻撃を封じ続けた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.18 人工芝G張り替え完成試合 岡山学芸館高 2-1 東海大福岡高 岡山学芸館高人工芝G]

 身長は170cm弱と小柄。だが、岡山学芸館高DF木下叶貴(3年)は3バックの中央で東海大福岡高の攻撃を何度も断ち切り、練習場のリニューアル初戦勝利に大きく貢献した。

 アジリティとスピードに自信を持つ木下は、その速さを活かしたカバーリングで背後への攻撃に対応。スペースへのボールをスライディングでカットし、ゴール前へ入ってくるボールは落ち着いて弾き返した。

「自分の役目は横の2人が強く行ってくれるので、掃除するじゃないですけれども(ボールを)回収するイメージで次に繋げることを意識しています」。また、1対1の状況になった際は上手く間合いを取りながら守って決定打を打たせない。

 この日対戦した東海大福岡は180cmFW小川真尋(3年)、FW瀬川瑠樹(3年)という強力2トップ。だが、木下は空中戦や競り合いで全く怯まない。そして競り勝ち、身体を張ってシュートブロック。7月にはJクラブが争奪戦を展開中の188cmFW中島大嘉(国見高3年)を封じている木下はこの日、危ないシーンこそあったものの、2人に十分な仕事をさせなかった。

「今日は失点してしまったんですけれども、自分は毎回1失点以下を意識しています。セロが一番良いんですけれども、(自分たちも)攻撃のタレントはいるし、取ってくれると思う」。その言葉通り、試合開始直後に1点を奪われた後は、ゴールを死守。味方の2得点に繋げた。

 中学時代から丸刈りでプレースタイルも同じ。闘争心とスピードを武器にチームを後方から支えている。本人は「技術が無い」と自己分析するが、この日は3バックの中央から攻め上がり、エースFW中田樹音(3年)へスルーパスを通すシーンも。主将のDF高島諒人(3年)が不在だったが、リーダーシップも発揮してチームを勝利へ導いた。

 好選手だが、本格的にサッカーを行うのは高校までと決めているという。脱臼のリハビリの際に協力してくれた理学療法士を自分も目指す。もちろん、現在はサッカーに集中。「これからもっともっとみんなと頑張っていきたい」と語る木下が、今後も岡山学芸館を後方から支え、チームメートと1日でも長くサッカーをする。

(取材・文 吉田太郎)
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