[8.17 RYUKEI CUP U-18 流通経済大柏高 2-0 矢板中央高 RKUフットボールフィールドA]

　昨年度選手権3位・矢板中央高(栃木)は、プリンスリーグ関東勢対決となったこの日の第1試合で桐生一高(群馬)に逆転負け。第2試合もFW多田圭佑(3年)がクロスバー直撃の右足シュートを打ち込むなど攻めたが、流通経済大柏高(千葉)のMF金城幸希(3年)と小林恭太(2年)にゴールを破られて0-2で敗れた。

　8月上旬の和倉ユース大会は、主将の右SB坂本龍汰(3年)や日本高校選抜候補GK藤井陽登(2年)が怪我で不在だったとは言え、1分5敗で16チーム中最下位。和倉ユース後に練習復帰した坂本は、チームの雰囲気が明らかに落ちていることを感じたという。

「復帰した時は結構練習から暗くて下を向いていたんですけれども、自分が下を向いたらダメだと思う。技術どうこうでなくて気持ちやチームを引っ張っていく姿勢、行動で示して、きょうの試合も結果が出なかったけれども自分が折れたらいけない」

　このような時期だからこそ、主将の自分がチームの先頭に立って、がむしゃらに盛り上げなければならないと考えている。坂本は1年時にプリンスリーグ関東を制して選手権でも8強入りしたAチームに帯同し、昨年は先発メンバーとして選手権全国3位。チームが結果を残す姿を間近で見ている。

　昨年も同様に苦しい時期を経験したが、自分たちを信じて努力を続けた結果、選手権へ向けて上昇。ただし、坂本は「自分らの代はそこと比べても仕方ないと思っている」。目標はあくまでも日本一。先輩たち以上の秋、冬を過ごすことを目指している。

　現3年生は、ルーキーリーグ関東でAリーグからBリーグに降格した代でもある。当時からなかなか結果を出すことができず、藻掻きながらの日々。今夏も我慢の時期が続いている。それでも、坂本は「こういう時だからこそ得られるものがあると信じて。こういう時期にしか経験できないものがたくさんある。今が本番じゃない。本番は選手権やプリンスリーグなので、そこに矢印を向けて今から逆算しながら今の負けを糧にできるように成長したい」と誓う。

　現3年生は「サッカーに対してマジメで、私生活も結構マジメ」(坂本)という代でもある。取り組む姿勢は先輩たちにも負けていない。一方で“マジメ過ぎる”部分があることも確か。また、控えめな選手が多い。坂本は多田やMF新倉礼偉(3年)とともに練習から声を掛け続けているが、まだまだだ。それでも、結果が出ない中で増してきている勝利への欲求。近年、冬に強さを示している矢板中央は個性派の多い2年生の協力も得ながら、「日本一を絶対勝ち取る」と信じて日常を過ごしていく。

　坂本自身は守備に課題を持ち、「自分のところでがっちり守れたら、みんな守備する必要がないと思う。そこを意識している」という。同じ徳島出身の京都橘高FW西野太陽(3年)が徳島内定を決め、市立船橋高CB石田侑資主将(3年)も活躍中。負けないように努力を続けて全国で彼らに勝利して目標を達成する。

(取材・文　吉田太郎)

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