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昨年のプリンス中国得点王。西の注目株、岡山学芸館FW中田樹音が得点力示して決勝点

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前半からシュートの上手さを示していた岡山学芸館高FW中田樹音。後半に決勝ヘッド

[8.18 人工芝張り替え完成試合 岡山学芸館高 2-1 東海大福岡高 岡山学芸館高人工芝サッカー場]
 
 西の注目FWが、リニューアルされた練習場のファーストマッチで岡山学芸館高を勝利へ導いた。FW中田樹音(3年)は1-1の後半24分、左CKから決勝点。味方がニアでそらしたボールに飛び込み、「合わせるだけ」というヘッドで決勝点を叩き出した。

 前半から得点の匂いを漂わせていた。1トップで先発した中田は11分、16分とタイミングの良い抜け出しからゴールへ迫る。16分のシーンは上手くGKを外した右足シュートでゴールネットを揺らしたが、判定はオフサイド。23分にもDF2人の間を通すように放った右足シュートがポストをかすめるなど、昨年のプリンスリーグ中国得点王のFWはシュートの上手さを改めて印象づけた。

 後半立ち上がりからはシャドーへポジションを移したが、なかなか良い形でボールが受けれず、シュートシーンに繋げることができなかった。「(試合を通して)ヘディングが多くてヘディングした後にこぼれたらシャドーが前を向いてボールを拾えるから、まず裏を狙おうと意識していたんですけれども、もっと要求できとったら」と反省する。それでも、勝負どころで決めるのはさすがだ。

 昨年は2年生ながら岡山U-18で10番を背負い、全国舞台でもゴールを奪っている。今年公式戦が開催されていれば、より名を上げられただろうが、新型コロナウイルス感染拡大によってインターハイ、プリンスリーグ中国前期は中止に。アピールする機会が失われ、プロは4年後の挑戦となりそうだ。だが、不満を口にすることはない。「(サッカーできないのは)みんなもそうですし、受け止めるしかない」。今できることに向き合いながら、成長を目指している。

 活動休止期間の自主練習や、活動再開後のボールを使いながら走るトレーニングメニューで体力面は向上。怪我明けだった春先は70kgほどだった体重は自然と63kgにまで減った。クリアできなかった走りの設定タイムもクリアできるように。本人もより動けるようになったことを認める。

 身体が絞れた一方、前線でボールを収める部分が課題に。タメを作って、仕掛けて、シュートも決められるのが中田の良さだが、全てが上手く行っている訳ではないようだ。もっと怖さを出せるはず。「収めても収めることに集中しすぎて、今度周りばっか使って自分で行くことが減ってきているから、自分でシュートチャンスを作らないといけない。一番前というのもある。FWやから点を決めないといけない」。何よりも得点し、チームを勝たせることにこだわっていく。

 高原良明監督も「シュートモーションに入った時は雰囲気がありますけれど。もっとやってもらわないと」と求めるレベルは高い。間もなくスーパープリンスリーグ中国が開幕する予定。そして、選手権予選がスタートする。中田は、「選手権とかリーグ戦もあると願うしか無い。あったらまず岡山取りたいし、全国出てどれくらいできるか試したい。上の相手とやれるように。課題がいっぱいあるので、減らしてちょっとでも上に行けるように」。今は一つでも課題を減らしていくこと。そして「岡山学芸館の中田」として大舞台のピッチに立ち、仲間たちとゴール、勝利を喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
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