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強豪校の練習施設に潜入取材。群馬の伝統校・前橋商は人工芝グラウンドでトレーニング

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群馬の伝統校、前橋商高の練習場

 高校サッカーの強豪校はどのような環境でトレーニングしているのか。グラウンド、部室、サッカー部寮……。各校の協力によって、高校進学を控えた中学生たちにとっても貴重な情報を教えてもらってきたぞ。第35回は1988、1989年度の全国高校選手権で2年連続3位に入り、2000年の全日本ユース(U-18)選手権では準優勝している伝統校、前橋商高(群馬)のグラウンドを紹介する(7月取材)。

■人工芝グラウンドでトレーニング





 前橋商は大正9年(1920年)に創立。2020年に創立100周年を迎えた伝統校だ。群馬県の県庁所在地、前橋市の前橋駅から徒歩10分ほどの好立地。群馬県の高校サッカーを牽引してきたサッカー部は、人工芝グラウンドでトレーニングをしている。選手権出場11回は前橋育英高に次いで群馬県内2番目の多さで、インターハイ出場17回は群馬県内最多の出場回数。特別な歴史を持つ強豪校だ。

■「必ず這い上がる」





 「チーム優先」「考える力」「我慢強さ」がチームのモットー。校舎には「燃えよ前商生 目指せ日本一」の文字が掲げられていた。伝統校の前橋商だが、宿敵・前橋育英高の躍進や他の私立勢の台頭によって全国出場は16年のインターハイが最後。選手権は04年度大会を最後に全国舞台から遠ざかっている。だが、グラウンド脇には「俺達は必ず這い上がる」の文字。打倒・育英、全国復帰を全員で目指している。

■攻撃サッカーを志向







 1989年度選手権の全国3位を知るOBで、札幌などでプレーした経歴を持つ笠原恵太監督が指揮。近年はボールを大事に保持し、グループで相手の守りを切り崩すスタイルへシフトした。今年はMF石倉潤征主将(3年)やFW坂本治樹(3年)、GK長谷川翔(3年)、DF上野大空(3年)、MF大熊葉薫(2年)ら力のある選手を擁し、県新人戦準優勝。新型コロナウイルス感染拡大によってインターハイが中止になったことは残念だったが、選手権での復権へ向けて準備を進めている。

■伝統の力も強みに






 日頃から挨拶や私生活の部分を意識。勝負強さや我慢強さは日常から養われている。技術力強化だけでなく、肉体強化にも精力的。トレーニング後は居残りで筋力トレーニングをする選手も。

■質を向上させて選手権へ





 トレーニングで基礎技術やパスワークの質を向上。県新人戦決勝で狙い通りの崩しからゴールを奪った。コロナ禍による活動自粛から再び技術力、連係を積み重ねているチームは精度を高めて選手権を迎える。

(取材・文 吉田太郎)

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