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目標は決勝での青森山田勢対決。青森山田セカンドが雨中で勝利への執念示し、盛岡商撃破!

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後半24分、青森山田高セカンドMF内間隼介が先制点を喜ぶ

[8.30 スーパープリンスリーグ東北第1節 青森山田高セカンド 2-0 盛岡商高 青森山田高G] 

 30日、高円宮杯 JFA U‐18 サッカースーパープリンスリーグ2020 東北Bブロック第1節で青森山田高セカンド(青森)と盛岡商高(岩手)が対戦。MF内間隼介(3年)の先制点などによって、青森山田セカンドが2-0で勝利した。

「最終的にはA(トップ)とB(セカンド)で決勝を戦うくらいの目標でいる」。先制点を叩き出した青森山田セカンドの内間は、そう目標を口にした。青森山田は昨年のプレミアリーグを制したトップチームと、同プリンスリーグ東北優勝のセカンドチームが、スーパープリンスリーグ東北に参戦。12チームが2つのグループに分かれて争われる同リーグのグループAにトップチーム、グループBにセカンドチームがそれぞれ臨んでいる。

 スーパープリンスリーグ東北はグループAとグループBの1位同士が決勝戦を行う日程となっているため、選手たちの目標は決勝での“青森山田対決”だ。セカンドチームの選手たちは、その目標へ向けてまず1勝を挙げた。

 青森山田セカンドはこの日、岩手の伝統校・盛岡商をホームに迎え撃った。MF石橋岳大(3年)やMF金和樹(3年)の正確なサイドチェンジからゲームキャプテンの左MF内間が積極的に仕掛けるなど相手の守りにプレッシャーをかける。

 一方、盛岡商はかつて仙台などでプレーした元Jリーガー、中田洋介監督就任3年目。この日は強い雨によって普段取り組んでいる繋いで攻める戦いはできず、相手の得意とする縦に速い展開へと持ち込まれた。

 それでも、中田監督から「球際でやり合うところで負けない。セカンドを相手よりも回収する」ところを求められたチームは、タレント揃う青森山田セカンドに食い下がる。特に存在感ある動きを見せたのが、CB中村涼(3年)とCB宮野隼(2年)だ。

 身長180cm超の中村は幾度も相手FWの前でヘッド。高さとスピードを備えたDFはボールを奪い取る部分でも強みを発揮した。また読み、守備範囲の広さ光る宮野が的確なカバーリングでピンチの芽を摘んだほか、MF伊藤就大(3年)らがセカンドボールの攻防戦で健闘していた。

 試合は雷雨のため、前半25分頃から約25分間中断。再開後に青森山田セカンドが右SB藤田夏寿丸(3年)のクロスなどからゴール前のシーンを作り出したが、盛岡商も集中力を維持して守り続ける。その盛岡商は、ゲームメーカーのMF欠畑魁星(3年)がボールの収まりどころになりながら反撃。左MF佐藤航(2年)のスピードを活かした攻撃などからクロスの本数を増やしたが、CB三輪椋平(2年)を中心に守る青森山田セカンドの切り替え、寄せの速さの前になかなか良い形でのクロスを入れることができない。

 青森山田セカンドもビルドアップのミスが起き、セットプレーの本数を増やしたり、ゴール前での迫力を出しきれない展開だった。だが、後半に突破口となっていた藤田の攻撃参加からチャンスの数を増やす。そして24分、右サイドで縦へ持ち出した藤田が中へ折り返すと、これを受けた交代出場MF本田真斗(2年)がターンから右足を振り抜く。シュートは相手DF、GKに阻まれたが、こぼれ球をファーサイドの内間が押し込んで待望の先制点を奪った。

 青森山田セカンドはタッチライン際まで飛び出したサブの選手含めて大喜び。トップチームでの活躍を目指す選手たちが勝利への執念を示して1点をもぎ取った。さらに青森山田セカンドは本田の左足シュートなどで追加点を狙う。盛岡商もGK羽田碧斗(2年)や中村、宮野の好守からサイドのスピードを活用して攻め返したが、逆に青森山田セカンドは42分、MF鈴木遼(3年)の左CKが相手オウンゴールを誘って2-0。最後は注目の中学3年生CB山本虎も投入した青森山田セカンドが白星発進した。

 青森山田セカンドの藤田は「前半は全体的にあまり良くないプレーが多くて、途中で雷とかありましたが、もっとチームで改善しようという話があって、後半に修正できて点数が入ったので後半はかなり良いゲームができたかなと思います」と振り返る。また、内間は「(新型コロナウイルス感染拡大によってアピール機会が少ない中、)3年生がめげずにやったから勝てたと思うので、継続していきたいです」と語った。

 見守った黒田剛監督は決勝での青森山田勢対決に「甘くないと思うよ」とした一方、「選手権へ向けた競争でもある。セカンドチームがトップチームを食うくらいの強化ができれば良い」と期待。そして、内間は「Bの選手はAを食ってやろうということをモチベーションとしてやっている。『Bもやっているな』とAも危機感を持って相乗効果というか、チーム全体が良い状態になって選手権に臨みたいというのがある」と力を込めた。選手権で再び舞うために、セカンドチームが勝利とアピールを続けて青森山田のチーム力を押し上げる。

(取材・文 吉田太郎)
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