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[関東Rookie League]執念のAT決勝弾で1-0!矢板中央が昨年日本一の桐光学園にリベンジ!

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試合終了の瞬間、左SB木村匠汰主将(右)ら矢板中央高の選手たちが喜ぶ

[9.5 関東Rookie LeagueAリーグ第1節 桐光学園高 0-1 矢板中央高 時之栖うさぎ島G] 

 矢板中央が劇的勝利で先輩たちのリベンジを果たした。5日、「2020 関東Rookie League」Aリーグ第1節で桐光学園高(神奈川)と矢板中央高(栃木)が激突。後半アディショナルタイムにFW坂本怜輝が決めた決勝点によって、矢板中央が1-0で勝利した。

 昨年、矢板中央はBリーグ優勝。全国ルーキーリーグ関東プレーオフ決勝でAリーグ2位の桐光学園と対戦し、0-0で引き分けた。その結果、上位リーグの桐光学園が全国大会出場権を獲得。桐光学園は全国大会でも勝ち上がり、日本一に輝いている。

 現2年生の悔しい敗退を知る矢板中央・川島諒太コーチは「去年、プレーオフも通じて全部(9試合)で失点1だったけれど、全国行けなかったので、ウチの堅守を出しながらどこかで勝負に行かなきゃなと思っていました。堅くやりながら、いつも以上に前に行く時間を作ったし、それも去年の悔しさがあって強気になれて、コイツらもその結果を知ってやっていたので、何よりも勝てて良かったです」と白星を掴み取った選手たちを讃えていた。

 試合は序盤から桐光学園のFW菅江陸斗が存在感のある動き。余裕のあるボールキープと切れ味鋭いドリブルで局面を打開し、ゴールへ迫る。6分には左クロスからFWベイリー・ジャスティン勇誠が決定的なヘッド。これは矢板中央GK浅野裕大のビッグセーブに阻まれたが、ワイドを広く使った攻撃から左SB中井丈仁やMF秋葉隼成がクロスへ持ち込んだり、MF大高颯斗のパスでDF背後を狙ったりしていた。

 だが、矢板中央は勝田大晴と田邊海斗の両CBを中心にゴール前で堅い。また、左の180cmSB木村匠汰主将は守備で高さを発揮していたほか、攻撃面でもロングスローでチームにプラスアルファをもたらしていた。

 8月の和倉ユース大会で矢板中央のAチームに帯同していた木村は、「(1年生チームでは)自分がチームを支えてみんながいいプレーをして勝利できれば良い」と奮闘。また前線での推進力が光るFW下平悠斗、183cmFW高橋秀斗の2トップが強引に相手の守りをこじ開けようとしていた。

 だが、桐光学園も安定したカバーリングを見せるCB豊田怜央や186cmCB坂本輝がその攻撃を跳ね返していく。球際の強度高い攻防戦。伝統的に守備の堅い両チームは、ともに隙を見せなかった。

 0-0のまま試合が進んだが、より勝利への執念を見せたのは矢板中央の方。木村は「絶対に勝つって、その気持ちは桐光よりも強かったと思います。(この一戦のために)練習から強度も全然違って、目つきもグラウンド入ってから全然違ったのでそれが良かった」と振り返ったが、引き分けではなく、勝つために前へ出続けた矢板中央が後半アディショナルタイムに1点をもぎ取る。

 敵陣左サイドでボールを持った坂本がカットインから強引に右足を振り抜く。シュートブロックしたDFの足に当たってコースが変わったが、ゴール方向へ向かったボールはそのままゴールネットへ吸い込まれた。

 執念の1点。矢板中央はピッチの選手とサブ組が、入り乱れて喜びを大爆発させた。桐光学園はすぐに反撃へ移ったものの、シュートを打ち切ることができずに試合終了。矢板中央の川島コーチは「(新型コロナウイルスの影響で例年よりも開幕が4か月遅れたが)ようやくこの強度で、この盛り上がりの中で大会ができて良かったと思います」と開催に感謝し、「1-0で一番ウチらしいスコアかなと思います」と頷いた。そして、木村は「絶対に全勝して、全国に行きたいです」と宣言。去年の悔しさを開幕戦で晴らした矢板中央が14年以来のAリーグ優勝、そして昨年逃した全国出場(関東は2枠)を成し遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
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