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[関東Rookie League]テーマは日本一世代以上の個、チームになって「同じ結果を」。静岡学園は日大藤沢とドロ―発進

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静岡学園高はMF白井柚希らを中心にゲームを支配。だが、1点を奪えず

[9.5 関東Rookie LeagueAリーグ第1節 静岡学園高 0-0 日大藤沢高 時之栖うさぎ島G] 

 関東・静岡の強豪校の1年生たちがリーグ戦を通して成長を目指す「2020 関東Rookie League」が5日、開幕。Aリーグの静岡学園高(静岡)対日大藤沢高(神奈川)戦は0-0で引き分けた。

 静岡学園は今年1月の全国高校選手権で24年ぶりとなる全国制覇。その主力だったMF松村優太(現鹿島)やMF小山尚紀、CB阿部健人(メリーランド大へ進学)は1年時にRookie Leagueで活躍。2位に入っている。一方の日大藤沢は昨年度、神奈川県予選決勝でインターハイ優勝校・桐光学園高を破って選手権へ出場し、全国ベスト16。彼らは1年時にRookie Leagueで初優勝し、全国ルーキーリーグ交流大会も制している。

 Rookie Leagueでの活躍を高校3年時の活躍に繋げている両校の新1年生同士の戦いは、0-0で引き分けた。日大藤沢は序盤、“日藤のSB”らしく長い距離を走ってゴール前へ飛び込んだDF植田海音が決定的なシュート。だが、静岡学園はGK小林元がはじき出す。

 試合の主導権を握っていたのは静岡学園の方だ。MF保竹駿斗やMF白井柚希が中心となってチーム全体でボールを支配。FW近藤安元の仕掛けなどからチャンスを作り、クロス、シュートでゴールを脅かした。だが、日大藤沢はGK岡本亜鶴がファインセーブを連発。また期待のCBアッパ勇輝が身体能力の高さを生かして最後の局面で食い止めるなど得点を許さない。

 静岡学園は中盤での球際厳しく、白井を中心にセカンドボールを相手に渡さなかった。そして、後半も諦めずに攻め続けたが、試合終了間際にMF望月空の折り返しから左SB栗原耕平が放った左足シュートはポストを直撃。最後まで1点を奪うことができなかった。

 白井は「みんな全体的に運動量が少なかったと思います。静学の武器は技術が凄いところ。疲れている中でも技術を発揮できなければいけないので、もっと運動量を増やしてもっとみんなで崩していければいい」と引き締めた。

 一方、日大藤沢のアッパは「(静岡学園は)足元が凄く上手くて、ドリブルとかでも何回か抜かれてしまったので、そういう上手さがありました。でも最後の粘り強さとかはしっかり強く行けていたので、そこら辺は負けていなかったと思います」と頷く。我慢の時間が続いた日大藤沢だが、パスの出どころをしっかりと封じるなど組織的に守って無失点。FW野澤勇飛ら攻撃陣は得点することができなかったものの、196cmCB森重陽介不在の中で勝ち点1を獲得した。

 静岡学園の1年生はスーパープリンスリーグ東海開幕戦でいきなりAチームの10番を背負ったU-16日本代表候補FW高橋隆大や同先発出場のU-16日本代表CB行德瑛、いずれも交代出場したCB森下蒼大とMF寺裏剣が注目だ。この日大藤沢戦は彼らがいない中でもゲームを支配したが、得点することができなかった。

 齊藤興龍コーチは改めて練習の重要性を強調。「相手よりゴールを取ってというところはテーマでもあるんで、ちゃんと仕留めるところへ持っていくために、『やっぱり練習ですね』。(今日無得点に終わり、)シュートが大事、クロスが大事、技術が大事だと活きた課題が見えたのは良いと思います」と悔しい引き分けから選手たちがより日々努力することを期待した。

 選手権優勝を経て、静岡学園は新1年生たちにテーマを与えているという。齊藤コーチは「(優勝世代の)『彼らを超えよう』というテーマを言っています。彼らを超える個、彼らを超えるサッカーをして、彼らと同じ結果を出そうと」。そのためには先輩たち以上の日常を過ごすことが必要だ。

 これに対して、静岡学園中出身の白井は「ボクも同じ舞台に立ちたいですし、去年とか優勝メンバーの代の練習にちょっと入ったことがあったのですが、『全然レベルが違うな』と思ったので、そこを目指してやっていきたい。オレがいなければ、試合がまとまらないというか、コイツがいなければ勝てないみたいな存在になりたいです」と力を込めた。日本一世代を超える個、チームになって選手権日本一へ。もちろん簡単なテーマではないことは分かっているが、静岡学園の1年生たちは本気でその挑戦をスタートさせている。
 
(取材・文 吉田太郎)
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