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仙台ユースがエース吉田騎の2ゴールで2勝目。聖光学院も一矢報いる

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先制点を決めたMF鈴木舜(右端キャプテンマーク)を祝福するベガルタ仙台ユースの選手たち

[9.12 スーパープリンスリーグ東北第3節 仙台ユース 3-1 聖光学院高 マイナビベガルタ仙台泉パークタウンサッカー場]

 高円宮杯JFA U-18サッカースーパープリンスリーグ東北は12日、第3節が行われ、グループA2位のベガルタ仙台ユース(宮城)と6位の聖光学院高(福島)が対戦。FW吉田騎(3年)の2ゴールで3-1と仙台ユースが勝利した。

 この日は朝から降りしきる雨の影響で人工芝ピッチが水含みとなり、水の除去などを行ったため、キックオフ時刻を15:30と30分遅らせ、悪天候の中で試合が行われた。

 前半立ち上がりは聖光学院の素早いプレスが効いたが、仙台ユースはそれを徐々にかいくぐってチャンスをつくり始める。22分、MF淀川誠珠(2年)のCKのこぼれ球をFW鈴木舜(3年)がゴールへ押し込み、仙台ユースが先制に成功する。

 さらに直後の25分、相手DFからボールを奪ったトップ2種登録選手の吉田が自慢のスピードを生かしたドリブルで相手陣内に突進し、そのまま右足を振り抜いて聖光学院を突き放した。

 そして34分、同じくトップ2種登録選手でこの日左SBに入ったDF鈴木史哉(3年)の低い弾道のクロスにゴール正面で吉田が合わせ、この日2点目となるゴールを挙げた。前半だけで仙台ユースが3点のリードを奪った。

 後半は「前半は前線から行くという一つのコンセプトを発揮できず、間延びして3点取られました。後半は逆によりアグレッシブに行って、相手の立ち位置が決まっていたので、そこを消しながら前で奪うことにチャレンジしました」と山田喜行監督が語った通り、聖光学院が攻守で修正を図り、リズムをつくる。

 5分、後半開始から出場のFW佐藤慧真(2年)が仙台ユースのU-16日本代表候補DF高橋櫂(1年)からボールを奪い、右サイドを突破してクロス。「最初は足下で受けようと思ったのですが、前のスペースに相手がいなかったので、スペースで受ければダイレクトで行けると思いました。慧真が良いパスをくれたので決めやすかったです」と振り返るキャプテンFW今野大樹(3年)が決めて2点差に詰め寄った。

 その後は聖光学院が仙台ユース陣内に押し込み、決定機をつくる場面が増えたが、「ゴール前の最後の精度だけしっかりできればもっと僅差のゲームができたと思います」と山田監督が語る通り、シュートに精度を欠き、このまま仙台ユースが3-1で2勝目を挙げた(第1節遠野高戦は3-3で雷雨中止、後日65分より再開予定)。

 仙台ユース壱岐友輔監督は「『(第1節遠野戦で)前半0-3の状況からわれわれは3-3に追いつけたのだから、今回は逆にならないように後半の最初の入りは大切だ』と忠告したにもかかわらず、凡ミスで相手にゴールを許してしまったことは大きな反省」とミスからの失点を悔やんだ。

 ボールを奪われた高橋は「自分の後半入りのところのミスで、全部相手に流れを持って行かれて、そこから苦しくなりチームとして立て直せませんでした」と反省しきり。2ゴールの吉田も「3年生としてそこで立ち直らせて、もう一回行くぞという雰囲気をつくれませんでした」と自身のゴールよりも、後半失点後の状況を反省した。

 ここまで一つのミスに反省するのは、次節に青森山田高戦が控えているからに他ならない。「今日みたいなプレーをしたら青森山田には勝てませんので、ミスを減らして技術を高めていきたいと思います」と高橋は今日のミスを糧にビッグゲームに挑もうと意気込んだ。

 一方、後半に仙台ユースを追いつめた聖光学院・山田監督は「僕らは福島県で尚志に勝たないといけません。今日は守備がうまくいきましたが、もっと数的優位をつくりながらボールを動かして、テンポを変えられる尚志高に、守備、奪う部分をもっと上げて、それをしっかりカウンターにつなげてフィニッシュする部分の精度を上げないと、昨年のように勝ちきれません」と手応えを感じつつも、来たる選手権福島県予選に向けて、さらに守備強度とシュート精度の部分を上げていきたいという。

「全員で守備することと、個の力がまだまだ弱いので、球際、空中戦など守備の部分で1個1個負けないようにしていきたいと思います」と語るキャプテン今野。現在スーパープリンスリーグ東北は3連敗でグループA最下位だが、残るリーグ戦3試合で、勝点という結果を得て自信を持って選手権に臨みたい。

(取材・文 小林健志)
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