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[関東]専修大FW村上千歩が大学L初ゴール、山口素弘氏の前で“同期一番乗り”

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[9.12 関東大学L1部 明治大2-1専修大 RKUフットボールフィールドA面]

 明治大に競り負けた専修大だが、1年生FWがキラリと光る活躍をみせた。1点を先行されて迎えた前半31分、FW村上千歩(ゆきと、1年=名古屋U-18)は左サイドから上がったクロスを頭で合わせて同点弾を決めた。

 この日は名古屋グランパスの山口素弘執行役員フットボール統括が視察に訪れていた。村上にも前日に連絡が入り、「そろそろ点が欲しいね」と言われていたという。「自分の動き出しという武器が発揮できたゴールだったのかなと思います。その部分では良かったと思います」。

 その部分。チームは終盤、同じ1年生のFW太田龍之介(1年=岡山U-18)に勝ち越し弾を献上して3連敗となった。順位も最下位の中央大と同勝ち点の11位と低迷。「チーム状況も悪い中でゴールにこだわってやっていた。点を取れたんですけどまだ勝利には繋がっていない。次節は自分のゴールで勝たせたい」と気を引き締める。

 昨年までは日本クラブユース選手権とJユースカップで優勝した名古屋グランパスU-18に所属。村上自身もJユースカップで得点王を獲得、惜しくも敗れたプレミアリーグファイナルでも2ゴールを決めるなど、中心選手として活躍した。

 名古屋の下部組織史上最高の成績を残した選手たちの多くが大学に進学。中大のMF田邉光平(1年=名古屋U-18)が開幕戦から先発デビューを飾るなど、複数の選手が存在感をみせている。

 第5節の途中出場でデビューと“出遅れた”村上だが、初ゴールは誰よりも先に奪った。「そこはこだわっていました」とニンマリすると、「スタメンは先に取られていて、本当に悔しい気持ちがあった。大学のフィジカルには慣れてきたけど、フルタイムで出る筋力はまだ足りない。積み上げていきたい」と貪欲な姿勢を示す。

 1年生だが、悠長に構えてはいない。名古屋U-18の同期はもちろん、中学までは熊本県で過ごしているが、当時のトレセンで一緒にプレーしたMF松岡大起(鳥栖)やFW荒木遼太郎(鹿島)がJ1でバリバリに活躍していることも大きな刺激として受け止めている。

 目標は1年でも早く名古屋に選手として戻ること。高崎康嗣監督にも「突き抜けてほしい」と大きな期待を寄せられている。「監督からは練習から『お前はグランパスに戻る選手なんだ』と常に言われている。(同期の中でも)僕が一番先にチームに戻りたいなというのはあります」。本人も自覚するように、まずはチームを勝たせることができる選手になること。段階を踏むことで自ずと道はひらけていくはずだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第94回関東大学L特集

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