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国の指定難病と戦う元U-16日本代表、桐蔭横浜大DF上田駿斗が復活ゴール&天皇杯でアシストと大暴れ

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右から4人目、背番号13が上田

 高校時代まではヴィッセル神戸の下部組織に在籍、U-15やU-16日本代表への招集歴を持つ桐蔭横浜大のDF上田駿斗は、4年間中心となってプレーすることが期待されていた。

 ただ大学入学後、そんな上田の体調を異変が襲う。1年生の後期からはプレーにも影響が出始めたため病院で診察を受けると、潰瘍性大腸炎と診断された。

 難病情報センターのホームページによると、潰瘍性大腸炎は大腸の炎症性疾患で、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛などの症状がある。国に難病指定されており、患者数は全国に16万6060人。発症原因は不明で、20代で多く発症すると言われている。

 治療法としては薬による治療が主となっているが、重症の場合は手術が必要になる可能性がある。また安倍晋三前首相が患っていることでも知られている。

 診断を受けてからも体調と相談しながらプレーを続けた上田。2年時には1、2年生が中心となったチームで出場する新人戦で、チームメイトの誰もが一目置くというキャプテンシーを発揮して大会連覇に導いた。

 ただ3年生に上がると、プレーできないほどに体調が悪化してしまう。同年は社会人リーグを戦う桐蔭横浜大FCのキャプテンに指名されていたが、ほとんどの期間をリハビリに費やすことになる。

 ようやく試合に復帰できるまで回復した最終学年。上田には試合を終わらせる“クローザー”的な役割が任されることになった。試合終了後半45分以降が上田の出番。8月9日の筑波大戦で今季初出場、9月5日の中央大戦でも最終盤に登場し、しっかりとチームに勝利を呼び込んだ。

 そして9月12日の駒澤大戦。1点リードの最終盤、上田がいつものように“クローザー”として投入される。ただこの日はそれだけにとどまらない。後半アディショナルタイム2分、CKを合わせたヘディングは相手にかき出されたが、こぼれ球を押し込んでダメ押し点を記録。上田の苦労を知るイレブンは歓喜の輪で上田の復活を祝福した。

 また上田は中3日で臨んだ天皇杯1回戦の山梨学院大学ペガサス戦に先発出場。すると前半7分に右サイドをオーバーラップした上田が、マイナスクロスでFW寺沼星文(2年=FCトリプレッタユース)の先制点をアシスト。チームを勢いづかせるアシストで、1回戦突破に貢献した。

 現代医療でも明確な治療法が見つかっていないという難病を患いながらも必死に前を向く。堂安律(ビーレフェルト)や冨安健洋(ボローニャ)といった世代別代表で一緒にプレーした仲間たちと再び同じ舞台に立つという夢を掴むために、今後も努力をし続ける。

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