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惜敗も、万能性とリーダーシップでU-16日本代表を立て直したMF坂井駿也

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前半11分、U-16日本代表MF坂井駿也(鳥栖U-18)はボランチの位置からの好パスで決定機を演出。CBに移ったあともチームを支えた

[9.22 SBSカップドリームユース3位決定戦 U-16日本代表1-2 静岡ユース 草薙陸]
 
 U-16日本代表は0-1の前半20分にCB池谷銀姿郎(横浜FCユース)が退場するアクシデント。この非常事態で、チームはボランチで先発していたMF坂井駿也(鳥栖U-18)をCBに下げる形で対応する。

 試合序盤、坂井はボランチの位置から絶妙なミドルパスをMF楢原慶輝(鳥栖U-18)へ通し、決定機を演出。また、DFライン近くまで下りてビルドアップに参加し、攻撃のリズムを生み出していた。

 そのMFは、急遽CBにポジションを移した後も落ち着いたプレー。この日、ゲームキャプテンを務めていた坂井は、チームメートに声がけしてやるべきことを統一する。2歳年上の対戦相手、数的不利の状況……U-16日本代表は崩れてもおかしくない状況だったが、1点差をキープして前半を終えた。

「自分もCBはあまりしたことがないんですけれども、ある程度は色々なポジションをできる自信があるので、自分が一番うしろでキャプテンとしてリーダーシップを持ってサイド使いながらや、後ろを3枚にしてSBを上げたりとか、しっかり考えて立て直せたので良かったと思います」。

 だが、後半立ち上がりに悔いの残る失点。10人になった後も全員が意思疎通をして立て直していただけに、残念な1点だった。試合後、坂井は前後半立ち上がりの失点や守備のスライドの部分を課題として指摘。アジア突破、U-17ワールドカップ出場へ向けて改善を目指す。

 ソレッソ熊本時代に「日本代表になって海外でも活躍できるような選手になりたい」と語っていた坂井は、進路を鳥栖U-18へ選択。これは鳥栖トップチームでブレイク中のU-19日本代表候補MF松岡大起と同じルートだ。

「(松岡は)目指している選手です。松岡選手は所属が一緒で、ソレッソ熊本で一緒。ポジションも一緒。(トップチームに)結構小さい時とか接して教えてもらっている先輩がいる。(松岡は)アグレッシブさだったり、強さだったり、チームを引っ張る強い魂を持っているので、自分ももっと見習って、もっとチームを勝たせられる選手にならないといけないと思っています」

 松岡は17歳になった直後の天皇杯でトップチームデビュー。高校3年生でJ1の23試合に出場し、今年はトップチームで欠かせない存在になっている。坂井も先輩のように階段を上り、鳥栖や年代別日本代表で欠かせない存在、チームを勝たせる選手になる。

(取材・文 吉田太郎)

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