beacon

[九州・山口BL U-18]勝ち切るチームになって悲願の選手権へ。宮崎日大が高川学園を1-0撃破

このエントリーをはてなブックマークに追加

宮崎日大高の左MF野田隼輔は突破力を発揮して決勝点をアシスト

[9.20 九州・山口BL U-18 宮崎日大高 1-0 高川学園高 宮崎日大高第2G Aコート] 

「九州圏内および山口県に属する2種年代の選手およびチームの強化、また指導者の資質向上を目指す」「拮抗したリーグ戦の環境づくりを行い、プリンスリーグ等上位リーグに匹敵するリーグを目指す」「プリンスリーグ九州と各県リーグとの橋渡しとなるリーグにする」という目的を掲げて2017年から行われている「2020九州・山口ブロックリーグ(BL)U-18」は、19日から22日まで宮崎日大高グラウンドで集中開催を実施。20日には鹿児島城西高(鹿児島)を除く8校が参加し、過去2度優勝の宮崎日大高(宮崎)対高川学園高(山口)戦は宮崎日大が1-0で勝った。

 昨年からゴールを守るGK原蓮也(3年)や左足で正確な縦パスを通していたCB澤村星輝(3年)ら後方から丁寧に攻撃を組み立てる宮崎日大に対し、高川学園は注目CB田中誠太郎(3年)やCB加藤寛人(2年)の正確なフィードを交えて縦に速い攻撃を繰り出す。

 高川学園は前半19分、左サイドでインターセプトしたMF末永章太郎(3年)が一気にゴールへ迫るが、宮崎日大GK原が至近距離からのシュートをストップ。高川学園MF新山大地(3年)、宮崎日大MF山口哲平(3年)の両主将が強度の高い守備を見せ合うなど激しさもある好ゲームは宮崎日大が先制点を奪った。

 この日、左の俊足MF野田隼輔(3年)と右MF下青木翼(3年)が鋭い動きを見せていた宮崎日大は前半27分、野田が決定的な仕事。1対1でDFを剥がすと、そのラストパスをニアへ飛び込んだFW鬼束卓弥(3年)が1タッチでゴールへ沈めた。

 後半は高川学園が前への圧力を強めて相手を押し込む。右サイドで存在感を放つMF林晴己(2年)がタッチライン際に張って連係で崩したり、個で中へ切れ込んで見せるなど脅威に。彼が絡む形などから左SB奥野奨太(2年)や新山がゴール前へ飛び込むなど再三ゴールへ迫った。

 だが、宮崎日大は南光太監督が「高川さんの1対1のデュエルに対してウチがどう立ち向かうか。1対1に負けだすとゲーム支配されるところもある。それに関してはよく戦えたと思います」と評価したように、飲み込みに来た相手の攻撃を我慢強く跳ね返していく。

 そして、GK原が前半に続いて後半もビッグセーブを連発。守護神の奮闘に他の選手たちも応えた。この日、宮崎日大はJ1クラブへの練習参加を経験しているFW櫻田優樹(3年)や主軸CB中川司(3年)、MF小形秀太郎(3年)がベンチスタートだったが、それでも代わりに入った選手たちが踏ん張り、1-0で勝利。昨年、鳥栖U-15のレギュラーとして日本クラブユース選手権(U-15)優勝を経験している期待の1年生左SB石川大翔も台頭するなど選手層が徐々に厚くなってきている。

 2年連続で選手権予選準優勝中の宮崎日大は今春、日章学園高を15度の選手権出場へ導いた名将・早稲田一男氏が中高・女子サッカー部の総監督に就任。山口は「(ゴール前の落ち着きなど)ライバル校である日章にあって、自分たちにないこととか教えてもらっている」と語り、南監督は「戦う術と勝利のメンタリティーを(早稲田)先生が一番持ってらっしゃるものなので、そこを植え付けてもらいたい」と期待する。

 今年こそ、全国へ。この日、山口県の名門校相手に耐えて白星を掴んだことは自信になりそうだ。山口は「こういう試合も選手権で出てくると思うので、こういうところで勝ち切れるチームにしていきたいです」。ライバルは強力だが、これまでやや欠けていた勝ち切る力を身に着けて打倒・日章、選手権初出場に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020

TOP