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[九州・山口BL U-18]選手権で“華麗なる猛虎” 東海大福岡復活へ。10番MF山根「懸ける思いは負けない」

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10番MF山根優汰は運動量を増やして東海大福岡高を牽引した

[9.20 九州・山口BL U-18 鹿児島実高 4-1 東海大福岡高 宮崎日大高第2G Aコート] 
 
 東海大福岡高は長距離移動後の試合で入りの悪さがそのまま影響するような試合に。大丸忠監督は「立ち上がりだけでもと思ったけれど、(東海大福岡らしさを出せず)蹴るだけになってしまった」と首を振る内容だった。前半を0-2で折り返すと後半も2失点。交代出場した期待のテクニシャンMF親泊大斗(2年)やMF上冨陸歩(3年)が攻撃にリズムを生み、FW村上愛和(2年)のゴールで1点を返したが、悔しい敗戦となった。

 この日はFW瀬川瑠樹(3年)とFW小川真尋(3年)の強力2トップも不発。「流れを変えるために長いスプリントだったり、パスじゃなくてドリブルで前進することで試合に変化が生まれるかなと思って心掛けていました」という10番MF山根優汰(3年)が運動量を増やし、自陣ゴール前から敵陣ゴール前まで幅広い動きを見せていたが、結果に結びつけることができなかった。

 下級生時からのレギュラーである山根は、0-4で東福岡高に敗れた昨年度の選手権予選準決勝の雪辱、そして福岡制覇を誓う。「去年のあの経験を活かして今年1年でやってやろうという思いが強かった。コロナで中断してもモチベーションはあったし、選手権に懸ける思いは負けないと思っています」。この日は2トップが封じられ、競り合い、セカンドボールも劣勢になって敗戦。その反省を活かし、選手権へ向かっていく。

 山根自身もチームリーダーの一人としてより声などでチームを引っ張ることを求められている。「まだまだ足りていないです。プレーで引っ張ることもそうですし、声でも自分が先頭に立って1、2年生を引っ張ることができると思う」。福岡U-15時代からこだわってきたというハードワークの部分と技術力に加え、仲間を鼓舞する部分でもチームを引っ張っていく。

 東海大福岡は東海大五高時代に14回の選手権出場を果たしている伝統校。今年は大丸監督が「結構コンスタントに。あれはパワーもあるし、ヘディング強い」と評するMF小濱弘貴(2年)や期待のCB上本銀太(2年)、技術面はチームでもトップクラスの親泊ら下級生も力はあるが、期待されてきた世代の3年生が最後に底力を見せるか。

 山根は「選手権のために3年間やってきましたし、コロナ明けからもみんなで一つになってその目標に向かって頑張ってきたのであと1か月しっかりと準備して最高の状態で迎えられたら良いと思っています。(平清孝総監督を)胴上げしたいです」。激戦区・福岡県予選はともに勝ち上がれば準々決勝で新人戦王者・九州国際大付高と対戦。その後も強敵を突破しなければならないが、多彩な繋ぎを強みとする“華麗なる猛虎”は一つ一つ勝ち抜いて奪還を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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