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FC東京U-18CB大森理生はプロの質やアベレージの高さ、冷静さを求めて続けてトップへ

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FC東京U-18のトップ昇格内定CB大森理生は市船を完封

[9.27 プレミアリーグ関東第3節 市立船橋高 0-0 FC東京U-18 グラスポ]

 将来へ向けて、“プロのレベル”を貪欲に求めながらU-18チームの試合に臨んでいる。この日、FC東京U-18のU-18日本代表CB大森理生(3年、トップチーム昇格内定)はカウンター狙いの市立船橋高の攻撃に対応。背後、スペースへのボールを的確にマイボールに変えて、高精度のフィードで攻撃の起点となっていた。

 後半の被シュートはわずか1。味方が押し込み続けている中でも集中力を切らさず、フィードは運営担当含めて見ている人が唸り声を上げるようなキックだった。だが、試合後、本人は全く満足していなかった。

「SHへ通すボールがちょっと高かったり、いつもならばライナーで行くボールがちょっと高くて、ロブというか前の方が(トラップしてから)スピードが出ないボールになった」と反省。今年は新型コロナウイルスの影響でほとんどアウェー戦を行えていない。その状況の中、普段と違う芝だということを意識して試合に臨んだが、数10cmの誤差が生まれてしまっていたことを本気で悔しがっていた。

 慢心ではなく、高校サッカーでは当たり前に違いを見せなければならないと考えている。「この年代だったら、自分はできて当たり前じゃなければいけないと思っているので、この年代で余裕を持ってやれるくらいのメンタル面を。チームの雰囲気含めて自分が落ち着かせる場面と、ガツガツ行く場面と、自分がチームを勝たせる動きというのは必要になってくるかなと思います」。高校レベルのままプロ入りする訳にはならない。だからこそ、大森は精度も、アベレージの高さも、頭の中も“プロ仕様”になることを意識している。

 この日、大森は同じく必死で勝つことを目指している相手選手の飛び込んでくる動きが、ややラフになっていると感じていた。昨年、U-23チームの一員としてJ3を経験しているCBはアツくなりすぎず、冷静に主審とコミュニケーションを取って指摘。冷静さを保ちながら状況を説明することの大切さをJ3で学んでいたからこそ、この日も“大人”の対応を見せていた。
 
 中村忠監督は戦うところは戦い、冷静に行くべきところは冷静に対応している大森のプレー、立ち振舞について、「真ん中でしっかり跳ね返してとか、味方を鼓舞してとか、口だけじゃなくて自分で戦う姿勢というのは去年に比べて大分出てきているのかなと思います。今年はフィジカル的に強い選手、大きな選手がいない中、中心になってやろうとしてくれていると思います」とその意識、姿勢の変化に目を細める。

 本人は「まだまだ足りていないかもです」という日常生活からより意識を高め、過密日程の今年、いつトップチームに呼ばれても良いように準備を続けていく。「『理生、行くぞ』となった時にすんなり入っていけるようにそこでチャンス掴みたいなと思って、練習でも意識してやっています」。来年以降へ向けた準備を意識高く続けることで、少しでも成長してプロの世界へ飛び込む。

 現在はU-18チームの一員。だからこそ、プレミアリーグ関東、クラブユース選手権はU-18チームのために全力で全勝を目指す。「3年間ずっとやってきた仲間なので、ここでしっかりとチームの雰囲気も良いですし、試合中の喋っている声もポジティブな声が多くてチームの雰囲気も自分の中では良いと思っているので、プレミア関東優勝して、クラブユース取れるようにやっていきたいです」。今年はU-23チームがなくなったが、注目DFはU-18チームでできる進化、勝利を続けてベストな形で1年を終える。

(取材・文 吉田太郎)
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