beacon

1年生5人先発の帝京は3年生も奮闘。MF宮崎海冬主将は「一番存在感」を放って選手権全国へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

帝京高MF宮崎海冬主将がスルーパスを狙う

[10.3 プリンスリーグ関東第5節 帝京高 1-2 山梨学院高 帝京北千住G]

 選手権優勝6回の名門・帝京高はこの日、1年生5人が先発出場。序盤、受けに回ったところを押し込まれ、セットプレーから2点を先取された。だが、前半途中からピッチに入ったDF行橋垂生起(3年)がチームを落ち着かせ、後半立ち上がりには豊富な運動量を見せていた右WB山川高輝(3年)がPKを獲得。これを大黒柱のMF宮崎海冬主将(3年)が右足で決めるなど、下級生から刺激を受けている3年生たちが奮闘した。

 結果は1-2で惜敗。毎試合のように1年生も特長を発揮しているが、プリンスリーグ関東は開幕4連敗となった。それでも、宮崎は上級生と下級生との意思統一が徐々に出来てきているという。そして、「経験が1年生とか少ないので、去年から経験している自分とか山川とかがもっとチーム全体に声がけしていかないといけない」と、より自分や山川といった経験者がチームを引っ張っていく必要性を口にしていた。

 昨年度の選手権予選決勝で先発した右SB本山大器(3年)が手術。宮崎は昨年の悔しさを最も知っている自分が、涙で卒業した先輩や試合に出られない3年生のためにも戦う決意だ。「(試合に出られない3年生も)意識高くやっていて練習の雰囲気は良い。みんな意識が高い」とチームメートに感謝。意識高い練習によって上級生、下級生、誰が出ても戦えるチームになってきているだけに、より共通意識を高めて選手権予選を戦う。

 宮崎自身、昨年に比べるとメンタル面で余裕が出て、より落ち着いてプレーできるようになっているという。球際の強さと予測力でボールを奪い取るボランチは攻撃を組み立てる部分やスルーパス、ミドルシュートという武器の精度をより高め、発揮していくつもりだ。

 インターハイで全国制覇している兄・FW宮崎純真(山梨学院高→甲府)からはこの1年、「普通の選手じゃダメだぞ」「見る人にとって『コイツ、ここが特長あるんだな』と思わせるようなことができたら良いよ」などとアドバイスを受けてきた。

「(自分が)攻守において、一番存在感がないといけない」と誓う宮崎は、10日に開幕する選手権東京都2次予選で自分が攻守両面で存在感を放ち、背中でチームを引っ張る覚悟。そして、仲間とともに東京を11年ぶりに突破し、必ず帝京を復活させる。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020
●高円宮杯プレミア&プリンスリーグ2020特集ページ

TOP