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「1トップの自分は想像つかない」鎌田大地は森保Jでもトップ下で勝負

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練習で笑顔を見せるMF鎌田大地

 昨年3月のA代表初選出時はFW登録だった日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)だが、今合宿は昨年11月に続いてMF登録での招集となった。まだチーム全員での戦術的なトレーニングを行っていないため、「自分がどこでプレーするのか分からない」としながらも、「フランクフルトでの役割と代表で要求されることは違うと思うし、代表で要求されることをこのチームではやらないといけない」と強調した。

 フランクフルトでは3-5-2のトップ下でプレーすることが多いが、森保ジャパンでは1トップ候補として日本代表に初招集された。途中出場で代表デビューを果たした昨年3月22日のコロンビア戦(●0-1)、A代表初先発となった昨年3月26日のボリビア戦(○1-0)はいずれも1トップでの出場。昨年10月10日のモンゴル戦(○6-0)、同15日のタジキスタン戦(○3-0)は試合の中でトップ下と1トップの両方でプレーした。

 特に1トップで先発したタジキスタン戦はピッチ内で話し合い、前半途中からトップ下のMF南野拓実とポジションを入れ替え、攻撃が活性化した。それだけに「僕自身は2列目もできるし、もう1個後ろもできるんじゃないかと思っている。ボランチから前はそつなくこなせると思うけど、1トップというのが僕の中では一番難しい課題かなと思う」と本人も認める。

「クラブでは10番、トップ下となっているけど、守備ではインサイドハーフのように前から後ろまで追わないといけない。10番をやっているけど、ほとんど8番とか6番とか、ボランチのイメージでやっている。1トップは自分では想像がつかないというか、ストライカーの要素はあまり持てていないのかなと思う」

 飾らない態度で率直に自身の考えを言葉にし、オープンに打ち明ける姿は、元日本代表キャプテンでフランクフルトのチームメイトでもあるMF長谷部誠について聞かれたときも変わらなかった。

 今オフに移籍の噂も浮上した鎌田をめぐって長谷部が会見の場で言及したこともあり、ゲキサカのインタビューでも「結果を出していくと、周りに厳しいことを言ってくれる人が少なくなっていく。なので、彼(鎌田)には(僕が厳しい言葉を)言い続けたい」と話していた。ところが、この日のオンライン取材で鎌田は「実際に厳しい言葉を言われたことはない」と明かした。

「ハセさん(長谷部)にサッカーに関して強く言われたり、アドバイスされたりということはない。どちらかというと、練習でも試合でも僕からハセさんに要求することのほうが多い。僕自身、調子にも乗っていないと思うので、そんなに怒られたことはないし、僕自身の話をすることはあまりない」

 自身の去就に関して長谷部からアドバイスを受けるようなことはなかったと否定した鎌田。「ハセさんのことは本当にリスペクトしているし、すごい人だなと思っている」のは偽りない本音だが、「ハセさんみたいになりたいと思ったことはないし、ポジションもプレースタイルも違う。ハセさんを見ていて、ドイツ語がペラペラで、監督と信頼関係を築いているのはいいなと思うけど、僕自身が鳥栖時代からそういう感じじゃなかったので、何とも言えないですね」と苦笑いしながら答えていた。

(取材・文 西山紘平)

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