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ドイツに新天地求めたMF堂安律「遠回りに見えても僕には一番の近道」

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日本代表MF堂安律

 今夏、オランダからドイツへと渡った。新天地に選んだのは今季ブンデスリーガ1部に昇格したビーレフェルト日本代表MF堂安律は「ただ、自分が強くなるため、うまくなるための決断だった」と答えた。

 昨季、フローニンゲンからPSVへのステップアップを果たす。序盤戦は先発に名を連ねてゴールという結果も残した。しかし、シーズン途中に指揮官が変わると、思うように出場機会をつかめず。新型コロナウイルスの影響もあって全日程を消化する前にリーグ戦は終了。決して納得のいくシーズンを過ごせなかった。

 すると、9月5日、ビーレフェルトへの期限付き移籍が発表された。「何か違いを生み出す選手になるためには、大きな成長曲線を描くためには、大きな環境の変化が必要だと感じた。そのためには国を変えるというのも一つの選択肢だった」。今季、ドイツ1部に昇格したビーレフェルトとオランダの名門クラブであるPSV。本人も「チームの格で言うとPSVの方が上」だと感じている。しかし、ビーレフェルトに身を置くことが、目標を達成するためには「一番の近道」だと考えたようだ。

「ファンの人から見るとPSVで活躍した方がビッグクラブに行ったり、自分が成長する近道に見えがちだけど、やっている僕からすると、少し違和感を持ちながら1年間プレーしていた。PSVのスタメン11人がいて、そのうちの1人で終わってしまうんじゃないかというのがあった。やっぱり特別な選手になりたい。少し遠回りに見えるような道でも、僕にとっては一番近道だと感じた決断だった」

 将来的にビッグクラブに行くという明確な目標を持つ男は、自身の成長のために移籍を決断。ドイツでのシーズンは初戦となったDFB杯1回戦で先発出場を飾り、リーグ戦でも開幕3試合連続先発出場と順調なスタートを切っている。

 約10か月ぶりの活動を行っている日本代表は9日にカメルーン、13日にコートジボワールと対戦する。アフリカ勢との対戦に「間違いなく能力が高いので、その能力勝負になるようなプレーを選ぶのではなく、日本の強みである技術を見せ、ハードワークができれば、間違いなく良い結果を残せる」とイメージを膨らませると、「プラスアルファで自分の特長であるゴールに向かっていくシュートやパスを出していきたい」と日本代表の中でも自身の存在価値を証明しようとしている。

(取材・文 折戸岳彦)

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