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ユース取材ライター陣が推薦する選手権予選注目の11傑vol.2

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森田氏が注目するMF田中祉同(神戸弘陵高)

特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国高校選手権予選注目の11傑』」

 ゲキサカでは熱戦展開中の第99回全国高校サッカー選手権都道府県予選の注目選手を大特集。「選手権予選注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣に選手権予選注目の11選手を紹介してもらいます。第2回は、関西を中心にジュニアから大学生、Jリーグまで精力的に取材する森田将義氏による11名です。

森田将義氏「ホームグロウン選手制度(12歳から21歳の誕生日までにトップチームやアカデミーに990日以上在籍した選手を一定数以上保有する制度)が導入されたことにより、需要が高まっているのが高卒の選手だ。優秀なアカデミー選手を抱える名門チームとは違い、アカデミーが発展途上である下位カテゴリーは高体連の選手を獲得して育てる必要があるため、高卒のスカウトに力を入れるチームが増加。そうした影響もあり、コロナ禍で公式戦が大幅に減少する中でも、今年は現時点で高体連から20人のJリーガーが誕生しているが、今後も更に人数は増えそうだ。制度が本格化していく来年以降は更に傾向が強まるため、すでに下級生に目を向けるJクラブも多い。今回は選手権予選で注目を集めそうなブレークの予感漂う2年生をピックアップした」

以下、森田氏が注目する11人

GK田邉満記(丸岡高2年)
中学に入ってから一気に伸びた身長は現在、187cmまで伸びたが、現在もまだ成長中。GKとしての潜在能力の高さと共に前向きなコーチングも魅力だ。高校に入ってからは先輩の倉持一輝(現・関東学院大)に感化され、自主練を重ねるうちにロングキックも武器に加わった。

DF大隅颯(近江高2年)
サイズを活かした競り合いの強さと、組み立て能力が目を惹く大型のDF。最終ラインならどこでもこなせる器用さも魅力だ。可能性を秘めた選手であるため、高いレベルの経験値を積めば、人材難が叫ばれるSBとして注目を集めそうだ。

DF岩本剛気(立正大淞南高2年)
空中戦で無類の強さを見せる184cmの大型CB。対人の強さを含めた守備能力だけでなく、自陣から繰り出す正確なロングキックも光る。2年生ながらも主力の自覚は十分で、「まだ最高学年じゃないけど、自分が後ろからチームを仕切れる選手になりたい」と意気込む。

DF松村晟怜(帝京長岡高2年)
昨年まではパスが売りのMFだったが、今夏からは恵まれたサイズと左足の展開力を評価した谷口哲朗総監督が「帝京長岡らしい大きいだけじゃない上手いCBになって欲しい」とコンバート。慣れないポジションに戸惑いを見せながらも、的確な予測で守備を引き締めている。

MF海老沼慶士(米子北高2年)
スピードを活かした縦への突破が魅力のレフティー。Aチームでの出場機会が大幅に増えた今年はキック精度も着実に向上し、攻撃への貢献度が高まっている。左SBにも対応できるのも魅力で、米子北らしい粘り強く戦う姿勢に磨きがかかれば、大化けする可能性はある。

MF鈴木淳之介(帝京大可児高2年)
身体を上手く使ったボールキープと的確な散らしが光るボランチ。Aチームに定着できなかった1年目とは違い、「トップチームの選手として恥じないプレーをしようと思った」今季はスタメンの座を確保。仲井正剛監督が「ボールを一切獲られない試合もある」と驚くほどのプレーを見せる。

MF恒岡大雄(藤枝東高2年)
C大阪U-15の出身だが、先輩であるDF稲葉楽(金沢内定)を慕い、静岡の名門校への進学を決意。元々はDFだったが、キープ力の高さを買われ、今年に入ってからはトップ下としてプレーする。左足から繰り出すスルーパスを始め、新たな持ち場でも輝きを放っている。

MF田中祉同(神戸弘陵高2年)
競争が激しい神戸弘陵で1年目から不動の座を掴む実力は伊達でない。大舞台でも動じない堂々としたメンタルの持ち主で相手と上手く駆け引きをしながら、ドリブルで左を攻略。単に突破で終わるのではなく、シュートやクロスなどきっちり仕事をして終われるのも彼の良さだ。

FW木原励(京都橘高2年)
180cmのサイズにスピードを備えた本格派のストライカー。左右両足から放つ強烈なシュートとゴール前での落ち着きも目を見張る物がある。得点への貪欲さが増した今年はコンスタントにゴールネットを揺らし、多くのJクラブから注目を集める存在になっている。

FW吉田晃盛(九州国際大付高2年)
一度ボールを持てば、屈強なDFと対峙しても、体勢を崩しても力強く強引にシュートまで持ち込む。プレーを見ると点取り屋としての才能と共に負けん気の強さを感じさせる選手だ。スーパープリンスリーグでは苦戦が続くが、選手権予選ではエースとしての仕事に期待したい。

FW鈴木章斗(阪南大高2年)
高いテクニックを武器に1年目からAチームのMFとして出場機会を掴んだが、今年に入ってからは急成長したフィジカルを活かすためにFWにコンバート。テクニックに力強さが合わさり、「攻撃は完全にアイツのチーム」と濱田豪監督が評する程の存在感を見せている。

執筆者紹介:森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。

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