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“待っていた”後輩のA代表デビューにDF吉田麻也「本来なら抱きしめてお祝いしたいけど…」

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日本代表のDF吉田麻也(サンプドリア)

 日本代表のDF吉田麻也(サンプドリア)が12日、カメルーン戦でA代表デビューを果たしたDF菅原由勢(AZ)への思いを語った。「本来なら抱きしめてお祝いしたいけど……」と嬉しさをのぞかせつつも、期待を込めて「厳しく接していかないといけないと感じている」のだという。

 吉田にとって菅原は名古屋グランパスU-18の後輩。吉田は1988年生まれ、菅原は2000年生まれで歳は干支一回りぶん離れているが、「個人的にはグランパスのユースから上がってきた選手のことは意識して見てしまうし、頑張ってほしい」という吉田は合流前から知っていたという。

 名古屋の公式Twitterは菅原が後半41分からA代表デビューを果たした9日のカメルーン戦の試合後、ロシアW杯での2人のエピソードを紹介。名古屋U-18の選手が吉田に寄せ書きを贈った際、多くの選手が「頑張ってください」と記したのに対し、菅原は「待っててください」と書いていたのだという。

 それから2年後の“有言実行”。菅原は11日に行われたオンライン取材で「合宿に来たとき、吉田選手が他の選手にそのことを話していて『もう来た。すぐ来ちゃったよ』と。僕は『2年間待たせてしまいました』と言いましたが、そういうことを覚えてくれていたのもうれしいし、口に出して実現できたことが大きなことかな」と思いを明かしていた。

 12日には吉田も取材対応を実施。「なかなかユースから昇格してA代表まで来るという例が少ないクラブなので、もっともっと多くの選手が自チームのトップチームで活躍して頑張ってほしいし、もちろんA代表まで来られればベスト」と後輩たちへの思いを語り、「日本に帰ってタイミングがあれば練習に参加するようにしているので、そこで会った選手と由勢みたいに再会できるのはうれしいし、それがサッカーの一つの素晴らしさだと思う」と感慨を述べた。

 一方で「本来だったら抱きしめてお祝いしたいけど、自分がこの代表で経験してきたことを思うと、ここに来るだけでは意味がないし、ここに居続けて何年もプレーして結果を出して、ヨーロッパでステップアップしていくということが一番難しい」と冷静な指摘も。代表定着への期待も込めて「大変だと分かっているからこそ、厳しく接していかないといけない」と意識しているようだ。

(取材・文 竹内達也)

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