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前向かせると非常に「怖い」関東一のエース。FW笠井佳祐が非凡な攻撃力発揮し2得点

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関東一高の180cmFW笠井佳祐はゴール前で怖さを見せ続けた

[10.10 選手権東京都Aブロック1回戦 本郷高 0-6 関東一高 駒沢2]
 
 VIVAIO船橋時代はCBで、関東一高進学後はFW、昨年はボランチ。そして現在はFWとして、相手にとってとても怖い存在になっている。

 関東一の180cmFW笠井佳祐(3年)はドリブルスピードが速く、鋭い切り返しなど含めて個でPAを打開できるプレーヤーだ。この日は前半19分に技ありのゴール。左中間で相手DFを背負うと見せかけてから、「相手が狙っているのが見えたので。跨いで」前を向いた笠井は、中央へやや切れ込みながら右足を振り抜く。そして、鮮やかにファーサイドのゴールネットを揺らした。

 一瞬の判断と身のこなしでゴールへのアングルを作り出し、「自分の形」というカットインシュート。笠井は後半にもMF類家暁(3年)のスルーパスで抜け出し、左足で2点目のゴールを決めた。

 非凡な得点能力と打開力を発揮した笠井だが、他にも4度5度と決定機がありながら、シュートをポストに当ててしまうなどハットトリックを達成することができなかった。「まだ決定力という部分では全然足りない」と首を振る。

 だが、小野貴裕監督のFW起用に応えるようなパフォーマンス。ドリブルも、ポストプレーも、フリックなども強みとする笠井は、特に2つのことを意識して試合に臨んでいるという。

「自分はポストもできると思っているし、前を向いた時に自分の力が一番出ると思っています。一番考えているのは点を獲ること。その次に前をどう向くことを意識して考えています」。1年時から先発を務める笠井は、エースとして関東一を勝利へ導く意気込みだ。

「今日スリッピーだったので自分の良さとかあまり出なかったんですけれども、グラウンド状況とか関係なく自分の良さは出していけないと上には行けないと思いますし、去年(敗れた)ベスト4で自分は何もできなかった。今年こそは自分の力でチームを勝たせられるように、普段の練習から見つめてやっていきたいと思っています」。守備も好きだという笠井は、攻守でチームに貢献できるFWだ。注目エースは苦しい展開の試合となっても決められる力を身に着け、東京を突破する。

(取材・文 吉田太郎)
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