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日本vsコートジボワール 試合前日の森保一監督会見要旨

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オンライン会見に出席した日本代表森保一監督

 オランダ・ユトレヒトでコートジボワール代表との対戦を控える日本代表森保一監督が12日、オンラインで前日記者会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

「明日の試合もチーム一丸となって、勝利を目指して戦い、勝利という結果を応援してくださる全ての方々、われわれの勝利を喜んでもらえるようにベストを尽くしたい。強化としても直近のカメルーン戦、明日のコートジボワール戦と個の能力と戦術を持っているチームと高い強度で戦えるので、チームの強化に向けてしっかりトライしていきたい」

—メンバー編成の考え方は。
「まずは数人の選手は入れ替えて試合に臨みたい。入れ替えることについては今日の練習で見て決めたいが、数人は入れ替わることになると思っている。システムはコートジボワール戦でも3バック、4バックという形でトライしたい。試合の流れを見て、最終的に判断したいと思うが、選手たちにはシステムも含めて柔軟に戦うことを準備するよう伝えたい」

—カメルーン戦では前半にハメに行った時、相手の3バック気味のビルドアップに対して空回りした印象があった。もっと早く修正できたんじゃないかという意見もあるが、どう捉えているか。
「守備面の修正ポイントとしては、相手にどうプレッシャーをかけていくか、いつどこでどのようにプレッシャーをかけていくかはチームとしてより共通認識を持って、意思統一して、相手のプレッシャーをかけられるようにコートジボワール戦は修正していければと思っている。ただ直近のカメルーン戦に関しては、代表活動が長く空いたこともあり、まずは選手たちの積極的に戦うアグレッシブな姿勢を尊重していた。相手に挑んでいく姿勢、勇敢に戦う姿をわれわれ自身も共有するため、見てくださっている方々や応援してくださっている方々にもアグレッシブに戦う姿勢を見せるのは大事だと思っていたので、選手たちの気持ちを大切にしたいと許容はしていた。しかし、やる気を持ってアグレッシブに戦う姿勢もタイミングを合わせていかなければ、体力的にも試合全体を通して良い戦い方ができないことにつながるので、効果的にエネルギーを使って、よりいいパワーを発揮していけるように、相手にいつプレッシャーをかけるかという点は今日の練習で共有して明日の試合に臨みたい。ただ選手たちが戦いたいんだ、勝ちたいんだ、アグレッシブに向かっていこうという点は前の試合でも尊重し、優先したいと思っていた。その姿勢は持ちながらチームとして連係連動して、いい形でチームのエネルギーにしていきたい。攻撃ではわれわれがまだまだボールを握って、効果的に攻めるという点(が課題)。いい形でボールを奪えていたと思うので、そこから守備から攻撃へのクオリティーを上げること。またダイレクトでゴールに迎えない時に、相手の強度がすごく高いけど、ボールをコントロールしながら相手のアタッキングゾーン、ゴールに向かえるようにコントロールした攻撃をできるよう選手たちに働きかけたい。アグレッシブに戦えるのはOKだが、タイミングを合わせていくこと、守から攻のプレッシャーを回避し、マイボールにしながらコントロールして攻撃につなげることをやっていければ」

—いままでと違う練習を取り入れたりはしているか。またこの合宿中に一貫して伝えていることがコンセプト以外にあるか。
「練習メニューに関してはこれまでとあまり変わっていないと思っている。約1年空いたので『これまで』というのも薄れているし、もし継続してやれていたともチームコンセプトが変わるわけではないので、そのコンセプトを発揮できるように、共有できるようにというトレーニングは今回も続けてきた。また伝えたことの中に新たなこともない思う。間が空いたので、基本的なこと、攻撃、守備、メンタルの部分も含めて映像も使って確認した上でカメルーン戦に臨んだし、次のコートジボワール戦にも臨みたい。できればどんどんブラッシュアップしていって、チームの積み上げを多くしたいというところは目指していきたいし、できるようにしていきたいと思っているが、代表活動は代表ウィークがあって、選手たちは自チームに戻って、自チームの戦術の上で戦い、また代表に来てチームとは違う戦術を戦う。そのため日本代表として戦うベーシックな戦術共有をしっかりと持ちながら、常に確認しながら戦っていくことが大切だと思っている。あと今回はコロナ禍の状況の中で戦うということで、これはコンセプトの本当に根本のところになるが、われわれが活動する意義であったり、われわれの存在価値が社会の中でどういうことなんだということは選手たちに伝えている。われわれがやる活動にはもちろん個人の夢や目標であったり、チームの目標がある。そういった自分たちの価値を上げる、チームの価値を上げる、日本サッカーの価値を上げることを目指しながら、日本社会の中でいろいろな方がわれわれの活動を見て元気になってくれたり、大変な思いをされている方にわれわれが頑張っている姿を見てもらって日常の励みになるような気持ちを感じられるように、発信していけるようにしたい。また少年少女には夢を持ってもらって、サッカーっていいな、サッカーって面白いな、サッカーやりたいなって思ってもらえたり、サッカー選手になりたいという夢を持ってもらいたい。日本の皆さんに寄り添ってわれわれの活動が生きるように、という話は何度もしてきた。初日にも話したし、全体が集まった時にも、カメルーン戦の試合前にも伝えた。何度も言ったのでどうかなとは思ったが、絶対的に必要なことかなと思ったので伝えた」

—カメルーン戦のアプローチで、チャレンジングな部分が欠けているように見えたが、監督として追い越すプレーも含め、新たに働きかけた部分はあるか。
「チャレンジする気持ちが欠けていたかという点では、選手たちは積極的にやろうとしてくれていたと思う。できなかったポイントとしては二つ。まずわれわれが守備から攻撃でボールを握った時に、攻撃のクオリティーが足りなかったというところ。また二つ目はカメルーンのプレッシャーもかなり強かったところがあるので、相手の守備に止められた部分がある。さきほども守備から攻撃でプレッシャーを回避して攻撃につなげるということ、よりボールをコントロールして相手のゴール前に向かうことをコートジボワール戦で上げていきたいとお話しさせていただいたが、まさにそういうことだと考えている。激しい、厳しいプレッシャーの中をいかにしてゴールに向かうか、いかに相手のプレッシャーを外してチャンスにつなげるかをやっていければ。そういう意味では直近のカメルーン戦、今回のコートジボワール戦と間違いなくインテンシティーが高く、激しいプレッシャーの中でプレーするという意味で、われわれにとってレベルアップできる環境があるので、選手たちはトライする姿勢をどんどん出してほしい」

—監督が考えている先発メンバーで、カメルーン戦以上の良い画が描けるイメージはできるか。カメルーン戦後には「まだまだ相手を崩すときの画が合わず、フィニッシュまでいけないところはあった」と語っていたが。
「画という部分では言葉足らずでしたよね。だいたいの画は描けていたと思うが、具現化するクオリティーを上げないといけないという意味合いで話した。明日は攻撃にしても守備にしても、攻守の切り替えも、できた部分をさらに続けて、カメルーン戦でできなかったことをさらに上げていければと思う。トレーニングも集中してくれたし、いいエネルギーを持ってコートジボワール戦に臨めると思う」

—カメルーン戦では3バックがよくハマった。過去、森保監督が指揮したチームに比べて選手たちの判断による部分が大きいように見える。どういう風に今後、選手の判断とメカニズムの整理をどのように詰めていこうと考えているか。
「選手の判断は大切にしていかないといけないと思っている。選手たちが判断する上でのベースの部分や考え方においては私が監督として伝えないといけないが、ピッチ上で起こっていることは机上のホワイトボード上とかプロジェクター上の映像で、こうなるだろうということであり絶対ではない。われわれの調子や相手の調子にもよるし、マッチアップの兼ね合いもある。同じ状況にはならないので、微妙な距離感やタイミングはピッチ上で問題解決できるように、修正できるようにということを働きかけていきたい。選手たちがベースの部分で何をやったらいいかわからないとならないよう、ベースの部分はしっかりとしたものを伝えた上で、選手たちにはオプションである判断のところでコミュニケーションを取ってもらって、相手を上回っていけるようにプレーで判断してもらえればと思っている。前回の3バックのトレーニングは、基本は4バックでやろうというふうに考えていた時、使うか使わないかは分からない中で3バックを試すという部分と、チームの戦術に厚みをもたらす点で必要だと考えて準備をしていた。ただ練習で行った時間は5分間だった。5分で全ては伝えられないし、少しずつできることを見ながら、その5分間でできることを伝えて、問題として出てきたことをちょっとずつ修正しながら、短い時間の代表活動を重ねていく上で自分たちがモノにできることをしていきたい。完璧にできることを目指していくが、完璧ではなくてもこれをやるということを持ってレベルアップしていくことが大切。これからどう使っていくかはわからないが、4バックにしても3バックにしてもいまできることや積み上げないといけないことを確実にやりながら、ミスが起きてもポジティブに変換して、修正しながら次に向かっていきたい」

—コートジボワールの監督がザンビア監督時代に対戦したと話していた。森保監督のこともリスペクトしていると言っていたが、そうした監督と対戦できることについてどう思うか。
「僕もその情報を聞いていた。すごく人と人とのつながり、サッカー界のつながりってあるなと思いながら縁を感じた。率いているチームは違っても、また日本代表と対戦できることは嬉しく思う。もしかしたらマッチコーディネートをするときに、以前日本と戦ってなかったらNoって言われていたかもしれないし、以前あった縁でまた試合ができて、お互いに高め合えることを嬉しく思うし、幸せに思う。こういう輪が日本代表が世界と戦っていく上で、いろんな国とつながってコンタクトを取れて、切磋琢磨して世界のトップオブトップに上り詰めていければと思う。それがサッカーの素晴らしさだと思います」

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