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「超厳戒態勢なら8割が赤字、4割が債務超過」Jリーグの財務基準が長期的緩和へ、猶予期間も新たに設置

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 Jリーグは13日、第9回理事会を開き、新型コロナウイルスの影響で財務基準が緩和されているクラブライセンス判定の特例措置を2021年度末まで継続すると決議した。また23年末までの2年間は猶予期間を設定。24年以降に元の基準へ戻る予定だが、今後の感染拡大状況を受けて再延長の可能性もあるという。

 Jリーグは今季、新型コロナウイルスの影響による各クラブの資金的な打撃を受け、クラブライセンス判定の財務基準を緩和。これまでJ1・J2ライセンス不交付基準だった「債務超過」「3期連続赤字」を今季は適用しないことが決まっている。今回の決議により、この緩和措置が来年度まで継続することが決まった。

 また2022〜23年の猶予期間には「債務超過が解消されていなくてもよいが、前年度より債務超過額が増加してはいけない」という規則を新たに設置。ここから「3期連続赤字」のカウントはスタートするため、猶予期間終了後の2024年まで赤字が継続した場合はJ1・J2ライセンス不交付のリスクはある。

 13日にオンライン会見に出席した木村正明専務理事によると、特例措置の継続や猶予期間の設定には全クラブが合意済み。「リーグが一方的に決めたわけではなく、全てのクラブとの会話、とくに財務状況の悪いクラブとの会話で決めた」と明かされた。

 猶予期間が来年度までの2年間となった背景には「期間が長いから解決できるものではない」という考え方がある。債務超過を増資で解消することを念頭に置いた場合、各クラブから期限が設定されたほうが親会社やスポンサー、地域に働きかけやすいといった旨の声が上がったという。

 Jリーグによると、超厳戒態勢(無観客か上限5000人の入場数)が続いた場合の概算では「資金繰りが困難に陥っているクラブはほぼ存在しない」が、今年度決算で約8割のクラブが赤字、約4割が債務超過になる見込みだったという。一方、10月以降は厳戒態勢(上限50%)に緩和して試合が運営されており、入場料収入の増額などで上方修正も期待されている。

 クラブライセンスの緩和措置、猶予期間は以下のとおり

▼2020〜2021年
・債務超過、3期連続赤字をライセンス交付の判定対象としない。
・2021年度末に新たに債務超過に陥っても判定対象としない。

▼2022〜2023年
・債務超過が解消されていなくてもよいが、前年度より債務超過額が増加してはいけない。
・新たに債務超過に陥ってはいけない。
・3期連続赤字のカウントをスタートする(2022年度末が1期目となる。2021年度以前の赤字についてはカウントしない)

▼2024〜2025年
・債務超過が解消されていなければならない。
・2022年度末から赤字が継続しているクラブは、2024年度末に3期連続赤字に抵触する可能性がある。

(取材・文 竹内達也)
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