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ドイツ仕込みのデュエルで存在感、遠藤航「僕の良さは人に強いところ」

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デュエルで強さを見せたMF遠藤航

[10.13 国際親善試合 日本1-0コートジボワール ユトレヒト]

 ドイツ仕込みの“デュエル力”を存分に披露した。9日のカメルーン戦(△0-0)をコンディション調整のため回避した日本代表MF遠藤航(シュツットガルト)がMF柴崎岳とダブルボランチを組んでフル出場。中盤の底で際立った強さを見せつけた。

「立ち上がりからうまくプレッシャーをかけることができた。あまり下がりすぎないようにして、僕と(柴崎)岳のところで相手を押し込めるようにした。スライドのスピードやロングボールへの対応もよかったと思う」。内容を振り返りながら語る口調も滑らかだ。

 日本代表が14年ブラジルW杯のグループリーグ初戦で1-2の敗戦を喫した際に決勝点を決められたFWジェルビーニョ(パルマ)を完璧に抑え込んだ。リオデジャネイロ五輪組のDF室屋成とも息の合った守備連携を見せ、前半に日本が主導権を握る原動力となった。

 1対1となる場面では、中を切って縦に誘導し、間合いを見計らってボールを刈り取る守備に磨きがかかっていた。欧州のビッグクラブでプレーする選手が多いコートジボワールに決定的なチャンスを与えなかった遠藤が特段の意識を割いたのは球際の部分。「そこでの勝利数や勝率をいかに上げるかが、僕がトライしているところ。自分のところでは制することができるようにしたい」と言う。

 後半アディショナルタイム、敵陣で遠藤がファウルを受けて獲得したFKのチャンスからDF植田直通がヘディングシュートを決めて1-0。守備面だけでなく決勝点も演出し、「今日は全体的にうまくいったと思う」と表情をほころばせた。

 読みの鋭さやポジショニングの良さはJリーグ時代から持っていた能力。そこにドイツ仕込みのデュエルの強さを加えた。縦パスの意識はさらに高まっており、精度も上がっている。豊富な運動量、使い減りしないタフネスがあるのも強み。アフリカの強豪コートジボワールを相手に互角以上に渡り合う様子を見ると、ダブルボランチの一角だけでなく、アンカーでも十分にやれそうな印象だ。

「僕の良さは人に強いところや、多少距離があってもしっかりアプローチをかけられる運動量。ピッチ全体をカバーするプレーを意識している。ボランチは真ん中でやっているので、攻守に関わる回数をいかに多くするかが大事だと思っている」。ブンデスリーガ1部で経験を重ね、さらに成長速度を上げていることが言葉の端々にあふれていた。

(取材・文 西山紘平)

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