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名古屋U-15から「何か変えなきゃいけない」と秋田へ。明桜CB長江慶次郎が決勝アシスト!

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延長前半7分、明桜高CB長江慶次郎は左足のフィードで決勝点をアシスト

[10.22 選手権秋田県予選準決勝 明桜高 1-0(延長)新屋高 ソユスタ]

 覚悟を持って秋田で挑戦しているレフティーが、決勝点を演出した。0-0で迎えた延長前半7分、明桜高CB長江慶次郎(2年)はDFラインでボールを持つと、「自分は左利きで左足のクロスというものを武器にしていて、(田村)仁志がヘディング強いのは知っていたのでそこに合わせようと思った」と得意の「左」で相手DFの頭上をわずかに越えるボールを配給。そこへ飛び込んだMF田村仁志(2年)が頭で合わせ、決勝点が生まれた。

 昨年から先発を務める長江は、180cm近い身長を活かしたヘッドと左足キックに自信を持つCB。この日の前半はチームの攻撃が停滞する中でなかなか良さを発揮できていなかったが、後半は左足からの対角のフィードや縦パスで攻撃にアクセントを加えていた。

 守備面でも「自分の目の前の敵には絶対に負けてはいけない、と教えられているのでそういうところは意識してやりました」。相手のスピードあるカウンターを受けるシーンが幾度かあったものの、カバーリング優れたCB小林心優(2年)と連係して封じ、決定打を打たせなかった。

 攻め続けながらもなかなか得点が取れない展開の中、彼らが集中力を切らさずに守っていたことも明桜の勝因。長江は「心優とはずっとコミュニケーションを取ってやり続けることができたので、そこは決勝でも継続してやっていければ良いと思います」と力を込めた。

 長江は名古屋U-15出身。U-18チームへの昇格することが叶わず、中学1年時に指導を受けていた原美彦監督率いる明桜への進学を決断した。地元を離れることにもちろん不安はあったが、「自分でも何か変えなきゃ行けない、殻を破らないといけないと思っていた。やっていかないとユース(U-18)に上がった人たちにも置いて行かれるし、そういう人たちにも負けないようにここへ来て大きく成長できれば良いと思って来ました」。親元を離れて自立し、自分の行動に責任を持てるようになった。そして、経験豊富な原監督の指導の下、プレーヤーとしての成長も実感している。

 全国まであと1勝。反骨心もエネルギーとして成長してきたDFは「U-18でやっている人たちの(全国優勝などの)活躍は耳に入ってきていますし、他の高校へ行った子たちの活躍も聞いているんで絶対に負けたくないと思いますし、全国でユース(U-18)に上がれなかった子たちと対戦出来たら良いと思います」。秋田工高との決勝でも攻守両面で勝利に貢献し、全国で成長した姿を旧友たちに見せる。

(取材・文 吉田太郎)
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