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全国のピッチで兄の分も活躍する。信念持って戦う札幌大谷・川井が「憧れ」の兄の前で延長V弾!

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延長後半5分、札幌大谷高川井駿が決勝ゴール

[10.24 選手権北海道予選準決勝 札幌大谷高 3-2(延長)北海高 厚別]

 憧れの兄の前で大仕事をしてのけた。札幌大谷高の右SB川井駿(3年)は延長後半開始後に右SHへ。元々アタッカーでゲームメークを期待されてSB起用されている川井は、「(前に上がることで)ゴールを狙えるな」と思ったという。すると、延長後半5分に訪れたチャンスで見事に勝負を決めて見せた。

 左サイドからMF高桑輝人(2年)が仕掛けると、「中に切り込んでくれたので、北海のDFがクロスを警戒して凄く引いていた。マイナスで受けたら自分がゴールへ打てるなと思ってあえて止まって、良いボールが来たので左足だったんですけれども、あとは決めるだけでした」。左足ダイレクトで放った一撃はゴール左隅を破って決勝点となった。

 ゴールを決めた背番号9はスタンドを指差し、そして両拳を握りしめながら歓喜のダッシュ。味方選手はすぐに守備へ戻っていたが、川井は「決めたらお兄ちゃんのところに行こうと」1人スタンド近くまで駆け寄り、喜びを分かち合っていた。「(兄は)ガッツポーズしていた。嬉しかったですね」

 川井は兄の分も全国のピッチに立つことを目指している。兄・健人さんは札幌大谷の選手権初出場メンバー。北海道予選は出場していたものの、全国のピッチに立つことができなかった。「憧れはお兄ちゃん」という川井は、「(決勝進出に貢献したが)ここが目標ではない。自分の兄は全国の舞台に立てなかった。兄の(悔しさを知っているので兄の分も)立って活躍したい」と意気込んでいる。

 この日は兄を喜ばせることができたが、まだこれから。必ず全国大会のピッチに立つという信念があるからだ。強敵・旭川実高との決勝も必ず勝って、目標とする舞台への出場権を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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