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「選手たちの自立」に手ごたえ…米沢中央が昨年度決勝で敗れた山形中央を下して2年連続の決勝へ:山形

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MF小野敬(左)が決めたPKによって米沢中央が勝利した

[10.24 選手権山形県予選準決勝 米沢中央1-0山形中央 小真木]

 第99回全国高校サッカー選手権山形県予選の準決勝が24日に行われ、米沢中央高山形中央高を1-0で下し、2年連続の決勝に勝ち上がった。11月1日の決勝では日大山形高と7年ぶりの全国大会出場をかけて戦う。

 昨年度決勝の再戦で見事にリベンジを果たした。鳥羽俊正監督は「去年の悔しさを知っている選手が何人かいる。こんなところで負けられないよねという話はしていました」と笑みをこぼした。

 降りやむことのなかった雨の中での決戦は、試合展開を予想以上に難しくした。互いにパスサッカーを信条とするチーム同士の対戦ということもあり、数か所に水たまりができるピッチコンディションでは、思うようにボールを前に運ぶことが出来ない。我慢比べ。一つのミスが勝敗を分けかねない緊張感を保ったまま、試合はスコアレスのまま終盤戦に突入した。

 すると後半26分、互いに注意していたプレーから決勝点が生まれることになる。米沢中央はMF小野敬(2年)が右サイドを鋭く突破。エリア内に侵入したところで、DF加藤大輝(2年)と交錯してPKを獲得する。そしてこれを小野自らが落ち着いて沈める。昨年度の決勝では奪えなかった得点を最初に奪って、味わわされた悔しさを晴らした。

 一つの壁を乗り越えた米沢中央だが、決勝の相手は日大山形に決定。この日大山形はコロナ自粛明けに練習試合を行ったが、1-5で「コテンパンにされた」(鳥羽監督)という相手だ。再び高い壁に挑むことになる。

 ただし今大会を通じて、大きく成長しているという強い自覚を持っている。もともと、昨年度の主力が卒業したことで、評価があまり高くなかったという世代。それでも2年連続して同じ舞台に返り咲いたことが、何よりも評価に値する。

 主将DF渡部侑磨(3年)は「しっかりと真面目に練習に取り組んできた結果だと思います」と胸を張る。セットプレーのバリエーションなど自分たちで考えながら準備出来るようになったことで、鳥羽監督も「選手たちの自立」に手ごたえを明かすと、「全員が絡んでボールを運ぶというチームの良さを出したい。守備のところでも誰かに頼ることのないサッカーをしたい」と闘志を燃やした。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2020

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