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[MOM3240]帝京五MF甲斐瑛人(3年)_メンタル、勝負強さ向上のテクニシャンが2アシスト

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帝京五高MF甲斐瑛人は2ゴールを演出

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.24 選手権愛媛県予選準々決勝 帝京五高 2-0 新居浜工高 GF新居浜B]

 神奈川県の街クラブのエース格が集う帝京五高の中でも、足元の技術が目立つのがMF甲斐瑛人(3年)。主将のDF尾上柊(3年)が、「どんなボールでも収めるので、とても良い選手だと思う」と評する正確なボールコントロールから、瞬発力を活かした突破と左右両足から繰り出す正確なキックが、彼の持ち味だ。

 3回戦の新居浜東高戦まではトップ下としてプレーしたが、新居浜工高との準々決勝では左サイドに配置転換。「今日はベスト4が懸かった試合。前回の反省点を活かしてサイドからのアーリークロスを多めにいこうと話していた」と序盤からクロスを積極的に入れて、相手ゴールに襲い掛かる。

 また、オフサイドになったものの前半11分にはMF長谷川大珠(2年)のスルーパスからPA内へ抜け出すなど自身もゴールへの意欲を見せた。そうした働きによって、相手守備の変化を生む。「アーリークロスを狙っていると、前のスペースが空いて行くのが分かった」甲斐は縦への突破を増やす。前半31分に左サイドでDFをかわしてゴール前へ入れたパスをMF丹羽一心(1年)が決めた。

「1点目に繋がった股抜きからのパスは痺れました」と植田洋平監督が称えるプレーでチームに勢いをもたらすと、後半11分には自陣からのクリアボールを素早く前線に送り、FW高橋遼伍(2年)の2点目をお膳立て。チームを勝利に導く活躍を見せたが、「アシストできたのは良かったけど、ゴールが欲しかったので満足はしていない」と悔しさを滲ませた。

 それでもチームを勝利へ導く活躍を見せた甲斐は中学時代、神奈川県のライオンズSCでプレー。ポジションを完全に掴み取るまでには至らなかったが、帝京五と練習試合をした際に植田監督から声を掛けられた。

「親元を離れて自分を鍛えたかった。自分の中で帝京五が一番人間性も成長できると思った」甲斐は縁もゆかりもない愛媛への進学を決意した。中学時代は、「技術はあったけど、メンタルが足りなかった」(植田監督)が、高校3年間で逞しさを増していく。「監督に『仕掛けられるときは仕掛けろ』と言葉を掛けてもらううちに自信がつき、メンタルがついてきた。学校生活や授業、人と接する時の礼儀なども監督からよく言われるうちに意識するようになった。そういう所が勝負強さに繋がっている」。

 中学時代の弱さはもう見られない。「次の済美は強いので苦戦すると思うんですけど、自分の良い所を出しながら仲間を活かしたい。しっかり勝って決勝に行き、全国を掴みたい」と残り2試合も堂々と自分の持ち味を発揮し、チームの勝利に貢献する。

(取材・文 森田将義)
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