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今治東の俊足ストライカー、高瀬太聖が地元・今治へ加入内定!「多くの人を感動させる選手に」

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今治東中等教育学校FW高瀬太聖FC今治

 FC今治は27日、今治東中等教育学校(愛媛)に所属するFW高瀬太聖(3年)の来季からの加入が内定したことを発表した。今治東からのプロ入りは高知大経由のDF菅和範(現栃木)に続き、2人目。初速の速さを活かした相手ゴール前への飛び出しと前線からの積極的なプレスが持ち味のストライカーである高瀬は「1年目から多くの試合に出場し、FC今治のJ2昇格に貢献したい」と意気込みを口にした。

 今年からJ3に参戦し、奮闘を続ける今治の新たな象徴になりえる選手が加わった。髙瀬は地元・今治市の日吉中学出身で、高校1年生の頃からAチームで出場機会を重ねてきた。2年目からは日々のトレーニングで運動量と得点意欲が高まり、エースとして活躍。選手権予選では得点王に輝き、チームの選手権初出場に貢献すると、全国2回戦の山形中央高(山形)戦では2ゴールをマークした。

 地元出身選手ということもあり、早くから高瀬に目を付けていた今治は、今年春の時点で獲得の意向を示していたという。漠然と掲げていたプロ入りの目標が具体的になった高瀬は、「これまで以上にFC今治の試合を熱心にチェックするようになった」と振り返る。

 4月以降はコロナ禍によって今治東のチーム活動がままならず、FC今治への練習参加もできない状況が続いたが、高校卒業後を意識して、熱心に自主練に励んだ。同時にコンディショニングに対する意識も変わり、身体をより労わるようになった。

 7月には右膝の靭帯を損傷し、長期離脱が予想されたが、意識変化のおかげで驚異的な回復力を見せて、9月末には実戦復帰を果たした。調子を取り戻して挑んだ選手権予選では、「チームを勝たせたいという気持ちが空回りした」ため、ゴールが奪えずチームは初戦の3回戦で敗退となったが、谷謙吾監督が「この一年で責任がかなり出てきた」と話す通り、精神面での成長が見られたのは大きな収穫だ。

 思い通りとは言えない高校最後の年を過ごしてきたが、今治の高評価は変わらず、10月に入ってからは初めての練習参加を経験。「一つひとつのスピードが違い過ぎて、ついていくのが大変だったし、フィジカルの差も強く感じた。特に駒野友一選手はテレビで観るのと身体つきがまったく違って驚いた」。一方で、ストロングポイントであるスピードを活かしたプレーには手応えを得た様子で、「プロの世界ではシュートの部分をさらに高めて、自分に似ているフランス代表のキリアン・ムバッペのように早くから活躍したい」と目標を掲げる。

 松山工高時代にDF中野圭(現今治)、MF松下佳貴(現仙台)の指導に携わった谷監督が姿を重ねるのは、日本代表の点取り屋。「PA内での反応が非常に速く、前線でボールが奪える選手。高校に入ってからゲーム中の動きが豊富になり、90分間走り続けられるようにもなった。周りに活かされるタイプなので、中盤の質が高くなるプロの世界では点を獲る回数が増えるのではと期待している。将来的には、岡崎慎司のような選手になって欲しい」と期待を寄せる。「生まれ育った今治でプレー出来るのは嬉しい。多くの人を感動させる選手になりたい」と話す俊足ストライカーが、今治の人々を沸かせる日はそう遠くないはずだ。

(取材・文 森田将義)
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