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「良いプレーを」から「平均的なプレーを」へ変化。関東一の守りに安定感もたらすCB菅原涼太:東京A

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関東一高のDFリーダー、CB菅原涼太は3試合連続無失点に貢献

[10.25 選手権東京都Aブロック準々決勝 狛江高 0-5 関東一高 清瀬内山B]

 関東一高は選手権予選全3試合無失点。小野貴裕監督が「信頼している」というCBが、チームに安定感をもたらしている。この日対戦した狛江高はロングボールでDFラインをひっくり返そうとしてきていたが、DFリーダーのCB菅原涼太(3年)は落ち着いた対応。4-0の後半26分に交代するまで相手に決定打を打たせなかった。

「今週の練習で(小野)監督から背後に蹴ってくるボールへの対応の仕方とか結構繰り返し練習してもらっていました。結構跳ね返せるところは跳ね返せていたので、練習でやった成果が出ていると思います」。特に前半は関東一がボールを握って攻め続ける展開。守備機会が少なく、逆に難しい展開だったはずだが、ほぼ隙を見せずに相手の攻撃を封じ込んだ。

 菅原は長短のパスを使い分ける技巧派のCB。だが、これまで「自分は安定しないタイプだったんですよ。1、2年の時は波が結構酷くて外されたりしていた」と分析する。昨年までは良いプレーをしなければ、試合に出られないという考えを持っていた。それを意識するあまり、バランスを欠いてプレーに波が出てしまっていた。

 変化したのは本当に最近のことだという。「今年は崩れないことだけを意識してやっていたら自然とプレーもついて来るかなというのがあって。良いプレーをするよりも、平均的なプレーをすることで後ろは安定するなということに気づいたので、今年はそれを意識しています」。小野監督は言葉で指摘するよりも、選手自身に考えさせるスタンス。求められていることが「安定」だと気づいた菅原は、派手なプレーをするのではなく、一つ一つのプレーにしっかりと取り組むことでチームの守りを向上させている。

「自分はみんなを鼓舞するタイプではないんですけれども、他が慌てた時には自分が一個落ち着かせたいと思っている」と菅原。昨年度の選手権予選準決勝(西が丘)はそれまでと違う雰囲気、芝、ボールに「いつも通り」ができなかったと感じている。昨年の経験を持って臨む今回の準決勝。菅原は、後方からチームを落ち着かせ、重視する安定感、「平均的なプレー」で勝利に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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