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作陽が岡山学芸館を2-0で下し3年ぶり24回目の選手権出場!! MF美濃祥真が大一番で2ゴール

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2ゴールを挙げたMF美濃祥真(3年)

[10.31 選手権岡山県予選決勝 作陽高2-0岡山学芸館高 Cスタ]

 第99回全国高校サッカー選手権岡山県予選決勝が10月31日に行われ、作陽高岡山学芸館高を2-0で下し、3年ぶり24回目の出場を決めた。

 主導権争いの中から、最初に良い形を作ったのは岡山学芸館。前半12分、右サイドでパスを受けたMF池本康生(3年)がドリブルで相手2人をかわしてエリア内に侵入し、角度のないところから右足で狙ったが、作陽GK徳本乃耶(3年)が防いだ。

 だが、この直後に作陽が均衡を破る。スローインを受けたMF美濃祥真(3年)が、相手に奪われかけたボールを取り返して一気にドリブルで加速。マッチアップしたDFのタイミングをうまく外して飛び込ませず、そのまま左足で蹴り込んだ。
 
 岡山学芸館はDF木下叶貴(3年)とDF坂田陸(2年)のCBコンビが、エリア内でプレッシャーを受けてもパスをつなぎ、最終ラインからのビルドアップを試みるが、立ち上がりから前線へのロングパスを多用していた作陽が、その形から前半26分に追加点を奪った。MF西田達哉(2年)が大きく前線に蹴り出したボールを、FW杉本翔(3年)が収めてバックパス。ついてきていた美濃が、今度は右足を振り抜いて逆サイドに蹴り込み、リードを広げた。
 
 2年前の決勝で両チームが対戦したときも、前半31分までに作陽が2-0としたが、同36分に1点を返した岡山学芸館が後半終了間際に追い付き、延長後半終了間際に決勝点を奪って3-2で逆転勝ちしている。再現を狙う岡山学芸館は0-2で迎えた後半6分、FW中田樹音(3年)とMF木村匠吾(1年)に代えて、DF小山鐘生(3年)とMF山岡亮太(2年)を投入。178センチの小山をFWに置き、前線に高さを加えて攻略を試みた。
 
 岡山学芸館は前半以上にボール支配率を高めて攻め込むものの、作陽の堅い守備を破れない。高原良明監督が「最初の1点が、なかなか入らなかった」と振り返ったように、後半12分にはMF須賀大貴(3年)がエリア内左に侵入してセンタリングを送るが、小山が左足ダイレクトで狙ったシュートは当たり損ねて決まらず。同22分にも左サイドを崩し、クロスにファーサイドの池本がヘッドで合わせたものの、GKの正面を突いた。
 
 後半は敵陣に攻め入る回数が少なかった作陽も、後半33分にMF井芹凌成(2年)が約20メートルの距離から右足で狙ったが、左ポストに当たって追加点を奪えない。それでも守備は最後まで崩れることなく、そのまま2-0で勝利を収めた。
 
 2年前の雪辱を果たした作陽は3年ぶりに出場権を奪還し、県内最多を更新する24回目の出場。就任1年目の2017年度に選手権出場を果たしながらも、2年前の逆転負けなどで過去2年、出場権を逃してきた酒井貴政監督にとっても悔しさを晴らす勝利となった。
 
 2年前の全国大会では初戦の2回戦を突破したものの、3回戦で日本文理高(新潟)にPK戦負け。酒井監督は「自分自身も成長したところを見せたい。選手たちに、やるべきことをもっと明確にして、全国大会でも結果を残せるように、その過程で成長できるようにしていきたいです」と、次のステージを見据えていた。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校選手権2020

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