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学法石川が堅守で福島決勝進出! 山形内定FW阿部を擁する尚志の7連覇を阻止

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学法石川が尚志の7連覇を阻止

[10.31 選手権福島県予選準決勝 学法石川1-0尚志 西部]

 大きな壁を破った。第99回全国高校サッカー選手権の福島県大会は、31日に準決勝2試合を西部サッカー場で行い、第1試合では学法石川高が1-0で勝利。7連覇を目指した尚志高を破り、決勝進出を決めた。

 学法石川の稲田正信監督は「(県大会の終盤で使用される)この会場での尚志戦は、負けばかり。今日、応援に来てくれたOBも、ここで負けた選手たち。尚志に勝つというのは、僕だけじゃなく、保護者もOBも含めたみんなの思い」とこれまで何度も接戦に持ち込みながら破れなかった強敵を撃破した価値を噛み締めた。

 試合で序盤から攻勢を見せたのは、尚志だった。前半7分にMF松尾春希(2年)のスルーパスで飛び出した左WB菅野稜斗(3年)がドリブルシュートを放ったのをきっかけに、何度もサイドアタックを仕掛けた。

 右WBのDF五十嵐聖己(3年)がハイサイドへ侵入してフィードを受けたり、3バックの左に入ったDF瀬齊駿登(3年)がインナーラップを仕掛けたりと多彩な経路で敵陣へ侵入。モンテディオ山形への加入が内定しているFW阿部要門(3年)も空中戦こそ相手DFに封じられたが、足下に入れば前を向いて相手を振り払ってゴールを狙った。

 しかし、学法石川の守備は鉄壁だった。主将のDF大津平嗣(3年)が、CB円道竣太郎(2年)やボランチと阿部を挟み込んで中央を封鎖。大津は「去年、染野唯月選手(尚志高→鹿島)と勝負させてもらった。阿部選手が強いのは分かっていたけど、今年は負けないぞと思っていた」と秘めていた思いを語った。

 守備が機能したことにより、学法石川にも反撃の機会が訪れた。前半24分、前線でターゲットとなっていたFW倉島聡太(3年)が倒されてFKを獲得すると、右MF渡辺航大(3年)が惜しいシュートを放った。そして前半37分、右サイドでパスを受けた倉島がクロスを上げた場面で、GKを越えたボールがファーポストに跳ね返ってゴールに飛び込む運に恵まれ、先制点を奪取した。

 その後も、攻める尚志と跳ね返して速攻を仕掛ける学法石川の展開。前半終了間際、尚志は、長身DFチェイス・アンリ(2年)を前線に送り、クロスに飛び込むチャンスがあったが、学法石川の小柄なGK渡邉駿(3年)が判断よく飛び出し、しっかりとセーブした。

 後半に入ると、尚志は攻撃のリズムが落ちた。精力的にプレスをかけてくる相手に対して、効果的なビルドアップができず、ロングボールが往来する相手のペースに飲み込まれた。

 尚志FW阿部は「相手が3人付いてきて、自由にプレーさせてもらえなかった。相手のプレッシャーを受けてバックラインからボールをつなげない状況だったので、自分がヘディングで勝ってつなげなかったのは力不足」と試合展開を悔しがった。対照的に、学法石川は右MF渡辺が「相手の左WBが高い位置に出てくるのは分かっていたので、その裏のスペースを狙っていた」と話したとおり、右サイドからドリブルを仕掛けて相手を押し返すなど、容易に試合のペースを渡さなかった。

 尚志は、後半23分の飲水タイムで2人の選手を交代。主将のDF鷹取聖(3年)を最終ラインに入れて、DF渡邉光陽(3年)をCBからボランチへ移行。前線も阿部に代えてFW齋藤大輝(3年)を投入して攻撃の活性化を図った。以降は、徹底したクロス攻撃でゴールに迫った。後半23分に左からのクロスを松尾が頭で合わせたが、相手GKが好守。後半31分にも左CKから渡邉光がヘディングシュートを放ったが、これもファインセーブに阻まれた。

 終盤、尚志は2シャドーの一角を担ったFW黒田陸斗(3年)のドリブル突破でゴールに迫ったが、学法石川DF大津の鋭いカバーリングで阻止される。終了間際には再びアンリを前線に送ったが、パワープレーも及ばず。0-1でタイムアップを迎えた。

 最後まで相手の堅守を崩せなかった尚志の仲村浩二監督は「守備陣からの(攻撃を組み立てる一歩目となる)サーブが上手くいかなかった。やりきれなかったというより、相手が良かった」と肩を落とした。

 勝った学法石川にとっては大きな1勝だが、まだ決勝戦が残っている。大会開幕前に左手の薬指を骨折したが、3回戦から3試合すべてで得点を決めている倉島は「小さい頃から福島県で育ち、尚志が勝つところを見てきた。学石に入ってからは、絶対に尚志を倒すという思いでやってきた。1つの目標がかなって良かった。決勝戦でも4試合連続ゴールでチームに貢献したい」と全試合得点での全国切符獲得を誓った。

 7日に同会場で行われる決勝戦では、この日の第2試合を制した聖光学院高と対戦する。

(取材・文 平野貴也)
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