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大量5発の三重が伊賀白鳳を破りベスト4! 一年間の成長を証明するため…頂点までの残り2戦へ

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三重が大量5得点で勝利

[10.31 選手権三重県予選準々決勝 三重高 5-1 伊賀白鳳高 伊勢フットボールヴィレッジC]

 第99回全国高校サッカー選手権三重県予選は31日、準々決勝を行い、三重高伊賀白鳳高が対戦。MF前田大空(3年)の先制点を皮切りに5点を奪った三重が勝利した。

 2月の新人戦に続くタイトル獲得を目指す三重だったが、「ウォーミングアップから動きが固くてゲームに影響しなければ良いなと思っていたら、案の定めちゃくちゃ固かった。自分たちが予想していた以上の固さだった」(徳地俊彦監督)。自陣からのビルドアップに手こずった三重を尻目に、先にチャンスを掴んだのはインターハイ出場を掴んだ2018年度以来の全国大会を狙う伊賀白鳳。前半6分にMF清水真翔(3年)がスピードに乗ったドリブルを倒されFKを獲得すると、自ら直接狙ったがGK松尾将(3年)に阻まれた。

 以降もヒヤリとする場面が見られた三重だが、「立ち上がりは我慢する時間が長くて何回も失点しそうになったけど、前日に我慢する時は我慢する練習をやってきた成果が出せた」(DF橋爪凌哉、3年)と失点を回避した。前半半ばからは攻撃に転じる機会も増え、16分には橋爪が左前方にロングフィードを展開。受けた前田が後方に下げ、DF世古七海人(3年)がクロスを上げたが、GK葛原惇司(2年)に阻まれた。続く17分にはクサビを受けたFW松田大聖(3年)が左に叩き、MF高橋楓磨(3年)がゴール前にパスを入れたが、DFにクリアされた。以降も焦れずにチャンスを作ると、21分には世古の攻撃参加から、左CKを獲得。橋爪がゴール前に入れたボールを前田が頭で合わせ、均衡を崩した。

 前半はサイドから理想的なクロスを上げながらも、積極的にクロスに反応する葛原に防がれる場面が目立ったため、「後半からは全部ど真ん中を仕掛けろと指示した」(徳地監督)。この指示によって、躍動したのはテクニカルなドリブルが持ち味のMF吉村優志(3年)。彼が3列目からの仕掛けを繰り返すと、伊賀白鳳は中央を締めざるを得ず、サイドにスペースが生まれてくる。狙いがハマり、後半17分にはサイド攻撃から奪った右CKを松田が頭で合わせて追加点を奪った。

 後半25分にはドリブルを仕掛けたMF清水大輝(3年)のパスから、FW西口稜哉(2年)に決められ、1点を返されたが、三重は「もう一度頑張らなければいけないと思った」(松尾)。34分に連携からFW吉良元希(2年)が3点目をマークすると、アディショナルタイムに2点を追加し、5-1で試合を終えた。

 3試合で16得点、1失点と順調な勝ち上がりを見せる三重だが、新チームが立ち上がった当初は甘さが見え隠れしていた。日常の取り組みがピッチにも表れると徳地監督は考えるが、今年の頭は授業態度が良くない選手、欠点をとった後にちゃんと勉強と向き合わない選手がいたため、練習を取りやめることがあったという。「新人戦で優勝できたけど、練習がちゃんとできなかったので良いプレーができたとは言い難い。ガムシャラに頑張り気付いたら優勝した感じで、”優勝したぞ!”という達成感はなかった」(徳地監督)。

 それから半年以上が経ち、選手たちの成長は見えつつある。試合中に徳地監督が細かな指示を送らなくても選手自らが上手く修正できるようになっているのは成長の成果だ。今度こそは頂点の達成感を味わうため、この一年の成長を示すために、残り2戦も三重は負けられない。

(取材・文 森田将義)
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