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[MOM3253]津工MF三浦嘉太(3年)_“黒子の主将”は強い気持ちで声を発す

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津工高をまとめる主将MF三浦嘉太(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.31 選手権三重県予選準々決勝 津工高 3-1近大高専 伊勢フットボールヴィレッジC]

 2回戦の久居農林高戦からの3試合で奪った得点は、21。今大会の津工高は攻撃力の高さが目を惹くが、黒子役として陰で支える主将のMF三浦嘉太(3年)の存在も忘れてはいけない。「前半から2点獲れて、リズムよく自分たちがやりたいサッカーができた」と振り返る準々決勝の近大高専は、的確な散らしで自陣からの丁寧なビルドアップを目指す攻撃に貢献しつつ、セカンドボールの回収とカウンターを狙う相手を食い止めるため、縦パスの阻止を意識し続けた。攻撃で存在感を見せた近大高専のキーマンMF上山晃希(2年)に対しても、3バックと上手く協力して対応。試合終盤には「勿体ない」と振り返る失点を許したが、「最後まで集中して守れたと思う」と試合を振り返った。

 彼の存在が大きいのはプレー面以上に精神面かもしれない。今大会はスコアこそ順調に見えても苦しい状況に陥ることも少ないが、「全員で声を出し、苦しい時も助け合いながら戦えているから、良いリズムでサッカーができている」ことが勝ち上がりに繋がっている。コロナ禍でチーム活動ができない時期が長かった今年は、チームが一つにまとまるのは決して簡単ではない。津工も上手くいかない時期もあったが、9月以降は三浦の発案によってウォーミングアップを自然と声が出せるブラジル体操に変更するなど、3年生がチームを盛り上げる声を出すように意識してきた。その成果もあり、「選手権前は良くない時期もあったけど、選手権に入ってからはチーム一丸となって戦えている」(FW清水勝太、3年)。

 今でこそしっかり声を出せるようになったが、元々三浦は淡々とプレーするタイプの選手。キャプテンになってからは自らを変えようと無理やりにでもチームを盛り上げる声を出すようになった。今では鼓舞する姿が板についており、プレーからは気持ちを感じる。準決勝以降も、「高校最後の年だけどインターハイがなくなったので、選手権しかない。絶対に優勝して全国に行きたい。声でもしっかり引っ張り、苦しい時も自分が最後まで走ってチームを引っ張っていきたい」との意気込みを体現し、チームに勝利を引き寄せてくれるはずだ。

(取材・文 森田将義)
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