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[MOM3254]飯塚FW村越琉威(2年)_武器のヘッドとクロスで2G2A!プロ入りした兄刺激に成長中

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飯塚高の2年生FW村越琉威は2得点2アシストの活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.1 選手権福岡県予選準々決勝 筑紫高 0-5 飯塚高 本城陸]

 飯塚高は同校初のJリーガー、FW村越凱光を兄に持つ2年生FW村越琉威が武器のヘッドとクロスを見せつけた。前半11分、右CKから「練習で自分はニア担当していて、『とりあえず相手よりも早く触れ』と言われたのでタイミング合わせて飛び込みました」という村越が先制ヘッド。村越は前半ラストプレーでも右CKからGKの前に飛び込み、ヘディングシュートを決めた。

 跳躍の高さを出すことと、ヘディングのタイミングを向上させてきた成果を発揮。加えて、この日は右サイドからのクロスで2得点を演出している。試合後は「自分の武器がヘディングとクロスで、その質を高めていて、ヘディングでゴールできたし、クロスを味方に合わせられたので良かった。前回点を決められなかったけれど、今回決められたので良かったです」と納得の表情を見せていた。

 迫力のある攻守でゴールへ迫るワイドストライカー。この日は左クロスに走り込んでポスト直撃の右足ボレーを撃ち込むシーンもあった。入学当初の中央から現在は右サイドでプレーしているが、中央、サイドの両方で高いレベルのプレーができることを目指して挑戦中。運動量多いサイドで献身的な守備を続けたため、56分で足を攣らせて交代したが、中辻敬喜監督は「しっかり仕事はしたかなと思います」と評価していた。

 2学年上の兄・凱光はライバルだ。兄が松本入りを決めたことについて、「お兄ちゃんが一番憧れるし、一番身近なライバル。大分(刺激に)なりましたね。自分も絶対に(プロへ)行ってやるという思いが強い」と口にする。兄は松本のキャンプ参加で高評価を獲得。一気にプロへの道を切り開いた。自分もいつJリーグクラブから練習参加の打診を受けても良いように、ストレッチなどの身体のケアを欠かさない。

「毎日がセレクションなので気を抜かず、一生懸命やっています」

 “兄以上”という評判で飯塚に進学した村越は、1年時から公式戦出場を重ねてきた。新型コロナウイルスによる活動休止中は、疲労骨折で神奈川県の実家に帰省。復帰後はBチームから練習を再開し、Aチームに上がったが「自分はBチームでしっかりコンディション上げていきたい」と降格を直訴してコンディションを高めてきたという。

 Bチームではチームの中心としてゴールを決め、課題に取り組み、周囲への声がけを継続。選手権予選1か月前に昇格してきたという2年生FWは、ヘッドやクロスという強みに加えて、キープ力の部分や人間的にも成長している印象だ。

 まだまだ粗さもあるが、今後が楽しみな存在。選手権でブレイクし、憧れのクラブだという鹿島をはじめとしたJクラブからの評価を勝ち取ることができるか。次は名門・東福岡高との準決勝。「パスの質、クロスの質を今週一週間でしっかりと高めて点に繋げたい」という村越が結果を残し、兄が成し遂げられなかった選手権出場に王手をかける。

(取材・文 吉田太郎)
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