beacon

米子北が7発大勝で米子東にリベンジ!! 11年連続16回目の選手権出場を決める

このエントリーをはてなブックマークに追加

米子北高が11年連続16回目の出場を決めた

[11.1 選手権鳥取県予選決勝 米子北高7-0米子東高 Axis]

 第99回全国高校サッカー選手権鳥取県予選決勝が11月1日に行われ、米子北高米子東高を7-0で下し、11年連続16回目の出場を決めた。

 両校は今年6月、中止となったインターハイ(全国高校総体)県予選の代替大会として開催された、県高校総体西部地区大会の準決勝で対戦。2009年11月から新人戦、インターハイ予選、選手権予選の県内3大会で無敗を誇っていた米子北を、米子東が3-2で破り、決勝も勝って西部地区大会優勝を果たしている。米子北は10年ぶりの黒星をつけられた雪辱を期して、米子東は返り討ちにしての22年ぶり9回目の選手権出場を狙う一戦だった。

 試合は開始直後から米子北が、どんどん前線にボールを送り込み、奪われても、瞬時の切り替えで奪い返して波状攻撃を仕掛ける。FW崎山友太(3年)やFW中田来輝(3年)がゴールに迫るものの、DF木村滉太(3年)の右CKからDF横山凌雅(3年)が狙った右足シュートがクロスバーに嫌われるなど、なかなか米子東の守備を崩せない。

 米子東も先制機をうかがい、前半11分には中央から右サイドに展開して、MF中田有哉(3年)がセンタリング。中央で待っていたMF柏木晴貴(3年)がシュートを打ち切れず、得点とはならなかったものの、守備に追われた序盤から、徐々に押し返す可能性を感じさせていた。

 だが、その矢先の前半16分に米子北が均衡を破った。ゴール前のこぼれ球に反応した崎山が、米子東DF鎌尾直矢(2年)、GK小川聖斗(2年)と奪い合い、そこに加わったMF竹中元汰(3年)がボールを奪って中央へ。走り込んできたキャプテンのMF林莞太(3年)が右足で蹴り込んでネットを揺らした。

 その後も米子北が主導権を握る展開は変わらず、米子東も粘って耐えていたが、米子北は前半36分、MF矢野巧也(3年)のパスを受けた竹中が、ゴール中央約20メートルの距離から、左下スミに鮮やかなミドルシュートを突き刺して2点目。引いて守る相手を崩すお手本のようなゴールが決まり、前半のうちにリードを広げた。

 後半に入ると米子北の攻撃が勢いを増し、次々にネットを揺らす。後半4分に崎山がエリア内左を突破し、角度のないところから3点目を挙げると、同11分にも崎山がCKからヘッドで決め、4-0とした。

 米子東も何とか一矢を報いようと反撃し、後半17分にこの試合唯一のCKを獲得。短くつないでからのデザインされたプレーで、鎌尾がフリーとなってシュートを放ったが、米子北GK長崎勇也(3年)の好セーブに阻まれた。

 ピンチをしのいだ米子北は、後半21分と同34分に林が決め、ハットトリックを達成。終盤に入っても攻撃の手を緩めず、最後はアディショナルタイム4分にMF宮本樹(3年)が7点目を決め、ゴールラッシュを締めくくった。

 米子東の山根伸監督が「選手たちは準備してきたことを発揮して、やれることはやってくれましたが、米子北の方が一枚も二枚も上手だった」と語ったように、攻守両面にわたる米子北の充実ぶりが際立った。とはいえ、その米子北に火をつけたのは、6月の敗戦。中村真吾監督は「あの敗戦で、いろいろなことを見直して、変わることができたのは間違いない。あのまま勝ち続けていたら今日も、もっと厳しい試合になっていた」と語り、苦杯を喫した相手に成長ぶりを見せつけた格好になった。

 昨年度の全国大会では、初戦の2回戦で青森山田高(青森)に0-6で敗戦。中村監督は「もちろん守備の修正もしなければいけませんが、得点を奪うために、もっと厚みのある攻撃をしたい。そのために守備から攻撃、攻撃から守備への切り替えを意識していきたい」と、11年連続となる冬の大舞台への強化ポイントを語った。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校選手権2020

TOP