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[MOM3258]星稜MF廣島大雅(3年)_勢いもたらす中央でのダイナミックなアップダウン

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ボックストゥボックスの動きで星稜高を牽引したMF廣島大雅

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.1 選手権石川県予選準決勝 遊学館高 0-3 星稜高 金沢市民]

 MF廣島大雅(3年)が「(千葉)大護が上げてくれると思って、飛び込んだ」と振り返る前半39分のヘディングシュートは、星稜高のチームメイトが「大きかった」と振り返る貴重な2点目となった。廣島はそれ以外にもピッチを所狭しと走り回り、自陣から相手ゴール前まで精力的な動き。チームに勢いをもたらした廣島について、河合伸幸監督も「点を獲った点以外にも、チームの雰囲気を良くしてくれた」と称えていた。

 廣島は「運動量が自分の武器だと思っているので、ハードワークでチームに貢献しようと思っていた」と口にする。これまでアンカーの位置に留まり、180cmの身長を活かした跳ね返しが多かったが、夏以降は積極的に飛び出して、得点に絡むよう指示されてきた。

 決して運動量が多いタイプではないため最初は戸惑いもあったが、毎週木曜日に取り組んできた走力トレーニングによって体力が向上し、ゴール前に飛び込む質が上がった。この日のゴールはセットプレーからだったものの、「あそこまで走ってなければ得点は決めることができなかった。何回も走り続けたことで獲れたゴール」と自己評価する。

 ピンチの際には自陣のゴール前まで懸命に戻る姿も印象的で、「ハードワークは自分がチームで一番しないといけない部分。そういう部分でチームに貢献できたらと思いながらプレーしている。特に苦しい試合終盤はチームのために声を出して、走って、自分が引っ張って勝ち切ろうと意識している」。

 廣島がダイナミックに中央をアップダウンできるのは、ダブルボランチを組むMF中村領優(3年)の存在も大きい。1、2年生の頃は寮の相部屋で「日常生活でも仲が良い。話さなくても感覚でお互いのことが分かる」(中村)ほど良好な関係性。「自分が思い切って上がると中盤が空いてしまうけど、領優は頭が良い選手なので上手くサポートしてくれる。捌ける選手でもあるので自分は前に出ていきやすく、めっちゃやりやすい」(廣島)。

 鵬学園高に敗れた昨年度の決勝のピッチに立っている。「めちゃくちゃ悔しかった。自分がもっとハードワークをして、もっとチームに役立っていれば勝てた試合だったと思う。そこからはチームのために走ったり、身体を張る部分を練習から意識している」。そうした意識の変化が攻守両面と精神面で頼りになる今の廣島に繋がっている。決勝の舞台でも廣島らしさを発揮できれば、自ずとリベンジという結果が転がり込んでくるはずだ。

(取材・文 森田将義)
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