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県リーグで1-5の松商学園にリベンジ。成長した姿示した松本国際が長野連覇へあと1勝

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前半17分、DF青柳凱人のゴールを喜ぶ松本国際高の選手たち

[11.3 選手権長野県予選準決勝 松商学園高 1-2 松本国際高 アルウィン]

 第99回全国高校サッカー選手権長野県予選は3日に準決勝を行い、松商学園高松本国際高が対戦。前後半に1点ずつ奪った松本国際が勝利し、7日に行われる決勝へと進出した。

 前年王者の松本国際だが、昨年から残る主力はDF宮嶋歩(3年)とMF宮嶋航大(3年)の2人のみ。OBのMF堂安憂(元長野、現おこしやす京都AC)のような個で打開できるようなタレントもいない。県1部リーグの初戦では、松商学園に1-5で敗戦し、「今年の目標はアルウィン(準決勝)だなと思っていた」(勝沢勝監督)が、逞しく成長した姿を見せ、連覇に王手をかけた。

 序盤から松本国際は、「うちの攻撃の一つ。サイドに速い選手がいるのと、立ち上がりは縦に速く行くという意味でサイドに出して、そこから仕掛けようと思っていた」と話す宮嶋航とMF舟木渉(3年)のダブルボランチがサイドを活用し、攻め込んだ。

 前半6分には、FW村瀬漣也(2年)のタメから左を攻め上がったDF柳平強(3年)がシュート。17分には、右サイドの高い位置で舟木がボールを奪い、ゴール前にパスを入れた。FW土井蒼翼(3年)のシュートはDFに阻まれCKとなったが、MF上杉優斗(2年)が上げたクロスをDF青柳凱人(2年)が合わせて、均衡を崩した。

 幸先の良いスタートを切った松本国際だが、前半半ばからは松商学園にシュートまで持ち込まれる場面が増えた。24分にMF中川友翔(3年)のパスからFW宮入寛大(3年)に放たれたシュートは、GK矢口惇英(3年)がセーブ。38分にもDF成澤慎(3年)の左足シュートをDFがブロックするなど、松本国際は粘り強く失点を回避し続けた。しかし、松商学園は後半3分、同点に追いつく。連携からゴール前に抜け出した成澤が倒されて、PKを獲得。宮入が決めて同点となった。

 松商学園・成澤の働きは、「思っていたより、突破力があった。左利きだから縦を抑えれば何もできないと思ったら、中に入って行っても、やれるドリブルだった」と勝沢監督が舌を巻くほど。直後の4分にもMF酒井優(2年)のタメから、ゴールに迫るなど成澤は相手の脅威になり続けたが、松本国際は2点目を与えない。

 流れを引き寄せたい松本国際は、10分にFW二木陽(3年)を投入し、4-3-3から、4-2-2-2へとシステムを変更。二木の力強さと突破力のある左の村瀬、右のFW錦織周平(2年)が疲れの見える松商学園に襲い掛かった。すると、19分には村瀬が鋭い出足で中盤のルーズボールをカット。スピードに乗ったドリブルで2人をかわして放ったミドルシュートがゴールネットに突き刺さった。会場を大いに沸かせる一撃で、再リードを手にした松本国際は終盤に押し込まれたものの、逃げ切りに成功。勝沢監督は「我慢強く守れたのが良かった」と評していた。

 決勝は昨年と同じカード。涙を流した上田西がリベンジに燃えるのは間違いないが、勝澤監督は「力がないので、ディフェンシングチャンピオンなんて思っていないし、受けて立とうとも思っていない」と口にする。

「昨年と同じカードなので絶対に負けられない」と話すのは宮嶋歩だ。昨年12月に行われた新人戦の準々決勝で上田西に負けているため、試合に懸ける想いはどの相手よりも強い。宮嶋歩は「向こうは選手権のリベンジで来るかもしれないけど、こっちは新人戦の借りを返すつもりで戦いたい。僕らはチャレンジャー」と意気込んだ。

(取材・文 森田将義)
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