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[MOM3268]帝京長岡GK佐藤安悟(1年)_接戦制したルーキー守護神、その風格は“山の如し”

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PK戦で好セーブを見せるGK佐藤安悟

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権新潟県予選準決勝 帝京長岡高 0-0(PK5-3)北越高 長岡ニュータウン運動公園]

 動かざること山の如し。1年生守護神が、チームを2度救って勝利に導いた。帝京長岡高校のGK佐藤安悟(1年)は、身長180センチと恵まれた体格で、取材する報道陣からリーチや股下の長さを聞かれるほど、明らかに手足が長い。全国高校サッカー選手権の新潟県大会準決勝、北越高校との試合では、ルーキーらしからぬ落ち着きでピンチを救った。

 最初の見せ場は、後半16分だった。中盤の空中戦から素早く縦にパスをつながれ、完ぺきに抜け出した相手FWとの1対1を迎えた。1年生なら焦って飛び出しても不思議ではないが、190センチを超える高身長だという父譲りの体躯で大きな面を作ってシュートコースを限定。足下に飛んできたボールをブロックした。「ボールが前に流れている状況で、相手はワンタッチで蹴って来る感じでした。体を寄せて大きく広げれば、体のどこかに当たって止められるかなと思いました」といたって冷静だった。

 誰もが認めるビッグセーブだったが、佐藤は左手で小さくサムアップしただけ。高校選手権という大舞台で、ピンチによる動揺や、好プレーによる興奮を抑えられるところを見ると、古沢徹監督が「自分ができること、できないことの整理が付いている。できることに関しては、パワーを持って発揮できる。例えば、シュートストップでは、手足が長いので、しっかり当てられる。ハイボールにも強く、1年生離れしたメンタルベースもあるので、思い切って、この選手権から起用しています」と評価するのも納得だ。

 2度目の見せ場は、延長戦でもスコアレスで突入したPK戦。相手の3本目で「思い切り打って来ると思ったので、思い切り跳んだ」と、シュートタイミングに合わせて右に跳び、左手でボールをはじき返した。このときも興奮することなく、ちょっと笑顔を見せただけで4本目に備えていた佐藤は「PK戦の前に、試合が終わるまでは喜ばないようにしようとコーチと話をしていたので、試合が終わってから喜ぶようにしました」と振り返った。

 チームはPK戦を5-3で制して勝利。決勝戦へ駒を進めた。試合後の取材対応でも、緊張している様子はなかった。「普段から、あまり緊張はしないタイプです。いつも適当なことを考えたり、頭の中で勝手に曲を流していたりします」と微笑んだ。

 サッカーを始めた小学3年生で、すぐに「1人だけ違うユニフォームで強そうだったし、格好良い」とGKを志願。三島ジュニアFCを経て、長岡ジュニアユースFCに進むと、ナショナルトレセンメンバーに選出。今春、長岡ジュニアユースと同じグラウンド、指導で活動している帝京長岡に進学した。高校サッカーではルーキーイヤーだが、大舞台で正GKを任されている。7日には新潟明訓高校との決勝戦が控えている。「決勝戦も、失点ゼロで行けば負けることはない。絶対に失点しないこと。フィールドの選手が緊張すると思うので、自分が声をかけて盛り上げ、優勝できるように頑張っていきたいです」と意気込んだ。

 体の大きさと、動じないメンタルは、山のよう。昨季全国4強の帝京長岡は、他チームから挑まれる立場にあるが、頼もしいルーキーが、ゴールマウスに立ちはだかる。

(取材・文 平野貴也)
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