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新潟明訓が後半2点で開志JSCに勝利、新潟県決勝は帝京長岡との因縁対決に

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追加点を決めた新潟明訓MF藤田梢紘(3年)

[11.3 選手権新潟県予選準決勝 新潟明訓高 2-0 開志学園JSC高 長岡ニュータウン運動公園]

 第99回全国高校サッカー選手権の新潟県大会は、3日に長岡ニュータウン運動公園で準決勝を行い、第2試合は新潟明訓高が2-0で開志学園JSC高を破り、決勝に進出した。

 試合の序盤は、新潟明訓のペースだった。右MF反町太郎(3年)が抜群の初速を生かしたドリブルから再三にわたってチャンスメーク。「ボールをくれれば、前に行く自信はある」と言い切るアタッカーは、前半2分にカットインシュートを放つなど攻撃のリズムを作り出した。

 しかし、続くプレーが相手にリズムを与えるきっかけになった。新潟明訓は前半13分にFW阿部凛太郎(3年)が相手最終ラインからボール奪取。シュートをGKに防がれた後、自分で詰めに行ったが、外してしまった。開志JSCは、GKテッ・インミョウの好守で難を逃れ、次第にクロスから押し返すようになった。後ろからロングボールを送ってセカンドボールを拾って司令塔となるMF元田陸(3年)を軸に二次攻撃。サイドへ展開すれば、センタリングとMF佐野考哉(3年)のロングスローで襲い掛かった。

 開志JSCは前半15分、佐野のロングスローからヘディングの競り合いを繰り返すと、ペナルティアーク付近で落下点に入ったMF小巌直希(3年)が左足ボレーで強襲。わずかにクロスバーの上に外れたが、決定機となった。さらに同28分、今度は左からのスローインで中盤を競り合った後、攻撃参加を繰り返していた右WB宮下秀翔(3年)がこぼれ球に反応してミドルシュートを放った。

 直後の前半30分には新潟明訓が反町の高速ドリブルで右サイドを切り裂き、ラストパスをFW斎藤悠吾(3年)がシュート。しかし、開志JSCは再びGKテッ・インミョウがビッグセーブ。阿部が詰めたが、力が入り過ぎ、シュートはクロスバーを越えた。

 前半は、GKのファインセーブで耐えて反撃する開志JSCのペースだったと言える。しかし、新潟明訓は、コーチから昇格して今季から指揮を執っている坂本和也監督が「相手の3バックに対する守備の行き方をハーフタイムで修正できた」と話したとおり、プレスとブロックを使い分け、ボランチのMF藤田碧(3年)らが中盤でセカンドボールを拾って相手のロングボール攻撃を封じた。そして後半13分、MF藤田梢紘(3年)が蹴った左CKをDF竹内豊(3年)が頭で合わせて先制に成功。藤田梢は「2つ上の世代を見て、高校サッカーは、セットプレーが大事だと思って練習してきた」と精度を磨いた一撃の手ごたえを語った。

 その後は、開志JSCが猛反撃。後半22分にDF安本勇輝(3年)のクロスにDF松田健吾(2年)が飛び込み、途中出場の2人がゴールへ迫った。続いて右CKからDF東界杜(2年)がヘディングシュート。同25分には、FKから東が空中戦で競り勝ち、DF西田夏海人(2年)が飛び込む決定機があったが、GKの正面だった。

 開志JSCはセットプレーの好機を決めきれず、次第に新潟明訓のポゼッションに時間を奪われ、苦しい展開に追い込まれた。新潟明訓は、藤田梢を中心としたパス回しから左MF木下裕介(3年)がアタック。後半32分、木下がカットインから藤田梢とのワンツーでPA内に侵入してシュートを放った場面で相手のハンドを誘い、PKを藤田梢が決めてダメ押しの追加点を奪い、勝利を決定づけた。

 7日にデンカビッグスワンスタジアムで行われる決勝戦では、前回全国3位の帝京長岡高と対戦する。今春に筑波大を卒業して教員となった加藤潤コーチは、5年前の全国出場時の主将。「指導者としても選手権に出てみたい。連れて行ってほしい」と後輩の躍進に期待をかける。

 主力の藤田梢、反町、竹内は、帝京長岡の兄弟チームである長岡ジュニアユースFCの出身。藤田梢は「加藤コーチたちの代が決勝戦で帝京長岡に勝った試合は、帝京長岡の応援で観に行っていたのですが、明訓のサッカーにも魅力があると感じましたし、勉強の面での進学も考えて明訓を選んだ。(相手が中学時代を過ごした長岡JYFC出身選手の多い帝京長岡のため)絶対に勝ちたいという気持ちは、ほかのチーム(に対する)よりさらに強い」と因縁対決への意気込みを語った。7日、新潟の頂上決戦に挑む。

(取材・文 平野貴也)
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