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[MOM3272]三田学園DF永井亮成(3年)_自らに「絶望した」1年前から成長。攻守に渡る活躍で雪辱戦へ

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三田学園高DF永井亮成は成長した姿を示して勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権兵庫県予選準決勝 三田学園高 1-0 報徳学園高 アスパ五色]

 1年前、第98回全国高校サッカー選手権大会兵庫県大会の準々決勝。試合終盤で足が攣り、堪らず倒れ込んでしまった。近くに来ていた相手選手を意図せず引っ掛けてしまう格好になったが、それがペナルティエリア内だった。対戦相手にはPKが与えられ、そのPKが決勝点となってしまい、1-2で敗れた。

「先輩たちの前で、僕は一体どんな顔をしたらいいのか。本当に申し訳ない」と感じ、自らに「絶望した」という三田学園高DF永井亮成(3年)。その時に味わった悔しさと情けなさを糧に、この1年でさらに成長してこの舞台に戻ってきた。

 コロナ禍でこれまでのように自由にサッカーができなくなったことをきっかけに、うまく気持ちが作れずに悩んだ時間が長かった。8月末に開幕を迎えたスーパープリンスリーグ関西でも、粘れずに失点する試合が続いた。
 
 そこで監督やコーチに「練習からちゃんとやれ!」と喝を入れられ、ようやく目が覚めた。自分たちが目指すのは、選手権の兵庫県大会制覇。そして、全国の舞台。リーグ戦で味わった悔しさをそのままにしておいてはいけないと気合を入れ直し、日々の練習に取り組んできた。

 福原幸明監督が「守備の要」だと称するCBの永井は、準決勝では報徳学園高の猛攻にも落ち着いて対応し、無失点に貢献。守備に回る時間が長かったが、昨年のように足を攣らせて倒れ込むようなこともなかった。試合終盤の苦しい時間帯にも大きな声を出してチームを鼓舞し、1対1の場面では体を張って「絶対に勝つ」という強い意志を示して見せた。

 さらに、「最近は影を潜めていた」という攻撃の場面でのヘディングの強さも発揮。三田学園が得た最初のCKからのチャンスを確実に仕留め、それが決勝ゴールとなった。

 駒を進めた決勝戦で対戦するのは、神戸弘陵高。1年前、永井がPKを献上してしまった相手もまた、神戸弘陵だった。悔しい思いをした相手との再戦を自らのゴールで手繰り寄せた永井。決勝戦では、「必ず1年前の借りを返す」つもりだ。

(取材・文 前田カオリ)
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