beacon

後半ATに徳弘が決勝点!滝川ニに逆転勝ちの神戸弘陵は決勝も一丸となって戦う:兵庫

このエントリーをはてなブックマークに追加

神戸弘陵高は劇的な逆転勝利。決勝も一丸となって戦う

[11.3 選手権兵庫県予選準決勝 滝川ニ高 1-2 神戸弘陵高 アスパ五色]

 11月3日、兵庫県洲本市のアスパ五色で、第99回全国高校サッカー選手権大会兵庫県大会の準決勝が行われた。第2試合では、滝川二高神戸弘陵高が対戦。前半中に滝川二がリードしたものの、神戸弘陵は後半に2点を奪い返して逆転。神戸弘陵が2-1で勝ち、8日に行われる決勝戦進出を勝ち取った。

 互いに一歩も譲らない気迫が見えた立ち上がりは、両チーム攻守の切り替えも早く、拮抗した。ゲームが動いたのは、前半30分。滝川二のDF黒井海舟(2年)のクロスが強い風に乗ってそのままゴールに吸い込まれ、先制ゴールとなった。

「(海が近い高台にあることで)風の強い試合会場なので、こういった失点はあるだろう」と選手たちに話していたのは、神戸弘陵の谷純一監督。選手たちもまた、「ハーフタイムにもうつむいている選手は誰もいなくて、選手同士で良い声かけもできている状態だった」(FW徳弘匠、3年)。その神戸弘陵が、後半7分に同点に追いつく。MF田中魁人(3年)のスルーパスに抜け出した徳弘が冷静にゴールに流し込んだ。

 その後は、一進一退の攻防が続き、そのまま延長戦に入るかと思われたアディショナルタイム4分、勝敗を分かつシーンが生まれる。神戸弘陵がオプションの1つとして用意していたMF松野隼輝(3年)のロングスローから、ゴール前で混戦に。そのこぼれ球に反応した徳弘が豪快に右足を振り抜き、ゴールに叩き込んだ。「延長戦も覚悟していた」(谷監督)時間帯での劇的ゴールで、神戸弘陵が80分内で勝利をもぎ取った。

 リードして折り返した滝川二のキャプテン・MF眞古大輔(3年)は試合後、「攻める気持ちをもって後半に臨もうと思っていたけれど、このまま逃げ切りたい、という気持ちがみんなの心にあったのかもしれない」と振り返った。「2年ぶりに全国大会に出たいという想いと、新監督を迎えてユニフォームも新しくなったので、新しい滝川第二を示したいという想いが強くあった」という。

 試合を終えてみると、「その想いの強さが、自分たち自身にプレッシャーをかけていたかもしれない」と気づき、「自分たちがこれまで新生・滝川第二として見せてきたスピーディーなボール回しやアグレッシブな姿勢を見せられなかった」ことへの悔しさを感じた。亀谷誠監督は「完敗だった」としたものの、「プレッシャーを感じながらも辛抱強く体を張り、勝利への執着心を感じさせてくれた」選手たちの奮闘を讃えた。

 一方、劇的な勝利で決勝への弾みをつけた神戸弘陵。谷監督は、「今大会は、無観客試合なのでメンバー外の選手たちは会場に来られない状況。そんな中でも、メンバー外の3年生たちはチームが勝つために応援し、支えてくれている。そしてその気持ちを受け取り、ピッチに立っている3年生たちもしっかり戦ってくれている。決勝の後、『そういうチームだからこそ優勝できた』とみんなに言ってやりたい」という。それを実現すべく、決勝戦も神戸弘陵サッカー部みんなで一丸となって戦う。

(取材・文 前田カオリ)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2020

TOP