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[MOM3275]鹿児島MF和田陽成(3年)_打倒“鹿児島城西”“神村学園”、指揮官から全幅の信頼を置かれるエース

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鹿児島高のエース・MF和田陽成(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.5 選手権鹿児島県予選準々決勝 鹿屋中央高 0-7 鹿児島高 吹上人工芝サッカー場]

 中学時代に味わった悔しさは今も忘れていない。

 小気味良いドリブルとゴール前でのアイデアはチーム随一。パンチの効いた右足のシュートも破壊力がある。現役時代に帝京高で全国制覇を経験している樺山市基監督から「うちのエース」と称される鹿児島高MF和田陽成(3年)が鹿屋中央戦で1ゴールの活躍を見せた。

 序盤から攻撃の核としてチームを牽引。トップ下の位置でボールを受けると、相手DFのギャップを上手く突きながらチャンスに絡んだ。“使う側”だけではなく、“使われる側”としても機能。相手の背後に抜け出し、果敢にシュートを打ち込んだ。自身のゴールは後半6分に相手GKのミスを突く形から生まれたが、どんな形でも得点に変わりはない。放ったシュートはチーム最多の6本。貪欲にゴールを目指す姿勢でチームに勝利を呼び込んだ。

 中学時代は鹿児島市の吉野中サッカー部に所属。「自分のプレーに合っている。アグレッシブな攻撃的なサッカーを目指す鹿児島高校で自分もプレーしたかった」(和田)。その想いで鹿児島高の門を叩いた。

 1年次は体力面の問題で試合に絡めなかったが、2年の夏を迎えるとトップチームに定着。運動量の向上と身体の使い方を学び、結果を出せるようになった。新チームでは攻撃の中心としてプレー。1年次から付けていた愛着のある14番を背負い、日増しに自信を深めつつある。夏は大津高、日章学園高といった強豪校との練習試合を経験し、上のレベルでも戦える手応えを得た。

 7日の準決勝は神村学園高と対戦する。中学時代は全国大会の常連だった同校の中等部と対戦する機会を得られなかっただけに、「準決勝は絶対に勝ちたい」と意気込む。そして、8日の決勝に進めば、鹿児島城西高と対戦する可能性が出てくる。中学3年次に同校の中等部である鹿児島育英館中と夏の県大会2回戦で対戦し、0-10の完敗を喫した。「めちゃくちゃ強かった」と振り返るが、自身も高校3年間で大きく成長したのは間違いない。「鹿児島で優勝して全国で良い結果を残したい」とは和田の言葉。決勝で鹿児島城西と対戦するためにも、準決勝は負けられない。指揮官が全幅の信頼を寄せるエースがチームを全国に導く。

(取材・文 松尾祐希)
●【特設】高校選手権2020

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