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[MOM3291]大分GK塩治晴士(2年)_声張る守護神がリベンジの地へ「いまでも12月31日は忘れられない」

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大分高GK塩治晴士(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.7 選手権大分県予選準決勝 大分西高0-1大分高 大分スポーツ公園サッカー場A]

「幸翔、行かせるな!」「いま緩んでるぞ!」「ここ最後がんばれ!」——。必ずしも理想どおりの展開には進まなかった2連覇王者・大分高の準決勝、そのピッチには最後まで大きな声が響き続いていた。

 声の主はGK塩治晴士(2年)。昨季から主力ゴールキーパーを任され、気迫のこもったセービングを繰り出す坊主頭の守護神だ。

「選手たちは走っていて聞こえていないかもしれないけど、自分の集中力を持続するためにも声出しを続けていて、その中で少しでも声が伝わって、少しでも選手たちが良い選択ができればと思っています」。

 この日は前半こそプレッシングがハマっていたものの、後半は相手のキーマンがポジションを上げてきたこともあり、守備陣にとっては苦しい時間帯が続いた。また攻撃でも味方のPK失敗があり、1点リードのまま危うい雰囲気が漂っていた。しかし、塩治はそうした中でも声でチームを盛り立て、自身も終盤の好セーブでピンチを次々に阻止。チームの勝利に貢献した。

 全国まであと1勝。塩治にとってはリベンジを期する舞台まであと一つとなった。

 昨年12月31日、大分は矢板中央高にPK戦で敗北。塩治はパワープレーで制空権を握ってくる相手に対してパンチングを繰り出し続け、「全国一の平均身長の相手に自信になった」と手応えも得ていたが、同じ1年生キーパーとのPK対決に敗れたことがいまも記憶に残っている。

「いまでも12月31日は忘れられないし、試合で負けた日のことは自分が一人で帰っているときに思い出したりする。また今年の新人戦もPKで負けた。そこにも重なる部分があって、何かが足りないと思って練習に取り組んできた」。

 決勝の相手は初優勝を目指す日本文理大附高に決まった。新人戦、県総体ではいずれも勝利した相手だが、「チームして嫌だという部分はないかもしれないけど、失点したら負けという意味では一番怖い相手。少しも気を緩めることはできない相手」とFW垣内太陽(3年)ら攻撃陣を警戒。「謙虚に相手をリスペクトしながら戦い、相手の良さも消していきたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2020

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