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青森山田中出身の司令塔・宇都宮短大附MF中村海成、矢板中央との決勝で雪辱を:栃木

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ドリブルで持ち上がる宇都宮短大附MF中村海成(3年)

[11.7 高校選手権栃木県予選準決勝 文星芸大附0-0(PK3-5)宇都宮短大附 栃木グ]

 宇都宮短大附高は3年連続して準決勝で敗れていた昨年度全国4強の矢板中央高と14日の決勝で激突する。ゲームメーカーのMF中村海成(3年)は「試合後に先輩たちが泣いていて、自分は何もできなくて悔しかった」という一年前の雪辱を誓う。

 3日の準々決勝で県新人大会覇者・佐野日大高との延長戦を制した宇都宮短大付は、7日の準決勝で文星芸大附高と対戦。中3日の連戦は「佐野日大に勝った余韻が残っていたのか、良い入りができなかった」(中村)。相手の激しいプレッシャーに苦戦したが、集中を切らさずに100分間を戦い抜くと、PK5-3で競り勝ち、決勝進出を決めた。

「去年の悔しさがあったからこそ、攻撃に関わってなおかつ守備も、どちらにも顔を出せる選手になろうと決めました。コロナの自粛期間はフィジカルアップ、ミドルシュート、守備に戻る練習など、自分で考えながらトレーニングしました」

 その決意をピッチで表現し、今大会は攻守の起点となってチームを牽引してる。ボールを奪えば正確なパスやドリブルで攻撃につなげ、自らフィニッシュにも絡む。ハードワークを怠らず守備に戻り、苦しい局面こそチームを盛り立てる姿勢がある。

「今も厳しい場面で中学時代の経験が生きていると思います」。中村は名門・青森山田中の出身。地元を離れ、3年間は寮生活でサッカーに打ち込み、高校は栃木に戻る進路を選んだ。浦和レッズ内定の青森山田高主将DF藤原優大らは同期で、全国出場を決めれば同じ舞台に立つことができる。一年間の成長ぶりを示し、攻守両面での貢献を誓う中村は「自分たちは総合力を大事にしてきた。チーム全員で戦いたい」と決戦を見据えた。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2020

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