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[MOM3294]昌平MF須藤直輝(3年)_鹿島内定エース、待望の初ゴールに加えて決勝点!

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後半21分、昌平高MF須藤直輝主将が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.6 選手権埼玉県予選準決勝 昌平高 4-1 正智深谷高]

 鹿島内定の10番に待望のゴールが生まれた。前半7分、昌平高MF須藤直輝主将(3年)は左サイドから右足でFKを蹴り込む。ボールはゴール前の密集へ抜けてファーサイドのゴールネットへ。「昌平の練習の時に、ゴールに向かうボールというのは意識していて、『ゴールに入れば良いな』という感覚で蹴って入って良かったです」。ゴールを確認した須藤は右手を突き上げて歓喜のダッシュ。これが須藤にとって今大会3試合目で初のゴールだった。

 喜びはいつも以上と言えるものだったようだ。「相当嬉しかったですね。自分自身、点が取れていなくてチームに迷惑をかけるところもたくさんあって、今までみんなに助けてもらっていたので、自分がゴールを決めることでチームを救えたのは良かった」。モヤモヤを吹き飛ばした10番の心に芽生えたのは、「もう1点」という思い。難敵・正智深谷高から、決勝点を奪ったのも須藤だった。

 1-1に追いつかれて迎えた後半21分、右SB本間温士(2年)のクロスのこぼれ球に「1点取ればもう1点欲しくなった」という須藤が反応。DFとGKがすぐにシュートコースを塞ぎに来ていたが、冷静にGKを“跳ばせてから”中央右へ右足シュートを叩き込んだ。

 大一番で2得点。さらに後半27分、左SB小澤亮太(3年)がPKを獲得し、ハットトリックのチャンスが訪れた。だが須藤はPKキッカーをFW小見洋太(3年)に任せ、40分に小見が獲得したPKも小見に蹴らせる判断。「自分も蹴れるんですけれども、アイツがエースストライカーなのでアイツが蹴った方がいいと思います」。須藤は自分の活躍に執着するのではなく、チームの勝利、雰囲気作りを優先した。

 須藤は大宮ジュニアユース時代から注目され、昌平進学当初からトリッキーなドリブルや決定力を示してきた。対戦相手が特に警戒するのはドリブル。この日も2人、時に3人のDFが須藤のドリブルに対応していた。10番はその中で仕掛けにチャンレンジしていたが、個で相手の守りを攻略するまでは至らず。それでも、注目ドリブラーは前向きだ。

「そこは抜けなかったので悔しいですけれども、そのチャレンジがゴールとかに繋がっていると思うので、試合を通してチャレンジすることの大切さはあるんじゃないかと思います。相手が一番嫌がっているからこそ、そこを消して来ると思うので対等に、負けずにやっていきたい」
 
 藤島崇之監督も「(厳しい戦いの中で)成長できる選手だと思う」と期待。よりチームの力になるために、相手の警戒を上回るような突破、ラストパス、シュートを求めていく。大宮ジュニアユースからユース昇格を断り、昌平に進んだのは選手権で全国制覇するため。その最後のチャンスで後悔することなく戦いて、仲間たちと目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
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