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丸岡が福井3連覇!積み重ねの成果発揮し、取って取られての熱戦制す!

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丸岡高は福井3連覇、31回目の全国へ

[11.8 選手権福井県予選決勝 丸岡高 3-2 福井商高 テクノポート福井]

 第99回全国高校サッカー選手権大会福井県大会の決勝戦、丸岡高福井商高が11月8日にテクノポート福井で行われた。

 立ち上がりは丸岡が攻勢に出る。ボールを奪うと前線やサイドへと展開し、FW河上英瑞(3年)やMF新堀陽斗(3年)がスペースに走りこみ起点となってゴールに迫る。DF竹島智哉(3年)のロングスローなどセットプレーでチャンスを生み出す場面も多かった。

 対する福井商も耐える展開から、次第に攻撃を繰り出せるようになる。すると25分、右からのクロスがPAで対応した丸岡DF飯田晃明(3年)の腕に当たり、このPKを2年生エースのFW中津悠哉(2年)が決めて先制点をあげる。

 ベンチの高木謙治監督から「(得点した後の)5分間が大事だぞ!」という声が飛ぶ中、福井商は28分に右クロスのクリアボールをMF高橋瞭斗(3年)がミドルシュートを放ち、30分にも中津のミドルシュートがクロスバーをかすめるなど、試合の流れを渡さずに1点リードで前半を終えた。

 後半、丸岡は「前へ運びすぎる、攻撃が縦ばかりになっていた」(小阪康弘監督)という状況を改善すべく、MF川中浩夢(3年)をトップ下から左サイドへ移して、幅を使った攻撃を選手たちに意識させる。

 その上で後半11分にドリブルを得意とするMF田中遥人(3年)を左サイドへ投入し、川中を今度はボランチへ移して中盤の底から攻撃に関わらせた。そうした采配が実ったのが16分。相手DFに当たったこぼれ球が河上の下へ渡ると、右足でニアサイド上段を破る豪快なシュートを突き刺して同点に追いつく。

 さらに26分にはCKの二次攻撃から、右サイドでボールを受けた田中がドリブルで2人をかわして左足を一閃。「蹴った瞬間に『入った!』と思った」(田中)というシュートで逆転ゴールを奪った。

 試合をひっくりかえされた福井商だが、ここから粘りを見せる。28分に左クロスに高橋があわせたシュートはGKに防がれるも、それで得たCKをDF西島潤(3年)が右足で鋭いボールを蹴るとクロスバーと相手選手に当たってオウンゴールを呼び込み、試合を振り出しに戻す。さらに32分には攻守両面のハードワークでチームの士気を高めてきたFW手鹿乃那(3年)が左クロスに合わせるが、シュートは枠をとらえない。

 延長戦も見え始めた終了間際の後半38分。決勝点が丸岡に生まれる。右サイドからアーリークロスを入れると、ゴール前で相手選手に当たったこぼれ球を河上が蹴りこんで3-2として試合終了。取って取られての熱戦を制した丸岡が、3年連続31回目となる全国大会出場を決めた。

 丸岡の小阪監督は試合後、「スタートラインに立ててホッとしている」と表情を緩めた。今大会初失点となる先制点を奪われて、前半は1点ビハインドで折り返したが「ハーフタイムは顔が引きつっている選手もいたので、まず『慌てるな、笑顔でいけよ』と伝えました。相手は前半にかなり前からきていたので、後半が進んでいけば動きも落ちてくると思っていた」と振り返る。

 後半は攻撃の修正も功を奏して逆転。「プリンスリーグでも逆転勝ちをしてきたという成功体験があった。選手のポジションチェンジも、リーグ戦などを通じてやってきたこと」(小阪監督)という積み重ねが、大事な一戦でチームに勢いをもたらした。キャプテンの川中も「勝つことだけを考えて行動してきたし、こうした苦しい試合で勝てて嬉しい。去年の全国を経験している選手が5人いて、先輩たちが示してきたプレーの強度や切り替えの早さなどの基準を教わってきた。そこを超えてられるように努力したい」と笑顔を見せた。

 全国大会へ向けて副キャプテンの飯田は「まずコロナウィルスに感染しないよう、もう一度、私生活から見直していきたい。試合では、課題が出ました。自分がハンドでPKを与えてしまった場面や、チームとしては得点した後の試合を進め方などを改善したい」と話している。小阪監督も「選手権は一発勝負。悔いのない試合をしたい」と先を見据えた。

(取材・文 雨堤俊祐)
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