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麻也が語った憲剛への思い「日本でプレーしていても、代表で突出したものを出せると証明した選手」

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日本代表DF吉田麻也

 日本代表のDF吉田麻也(サンプドリア)が12日、オンライン取材に応じ、1日に今季限りでの現役引退を発表した川崎フロンターレMF中村憲剛への思いを語った。

 中村の引退発表から3日後の4日には自身のSNSを更新した吉田。「カッコ良すぎるやめ方やなぁ長老。ってか長老って呼び出した時まだ30ちょいだったのか…こんな僕にいつもアドバイスしてくれてありがとうございました。笑」と8歳上の先輩への感謝を示していた。中村の引退に対して改めて言葉を求められると、「選手にとっていろんな辞め方、去り際はあると思うけど、憲剛さんの辞め方は理想的な辞め方と言うか、皆がきれいだなと思い描くような辞め方」と話した。

 03年に中央大から川崎Fに加入した中村は、18年間、川崎F一筋でプレー。16年に史上最年長となる36歳でJリーグMVPに輝くと、17年シーズンには悲願のJ1リーグ初制覇を成し遂げ、翌年にはリーグ2連覇を達成し、さらに翌年にはルヴァン杯初優勝を経験した。19年には左膝前十字靭帯損傷という大怪我を負うも今季復帰。40歳の誕生日となった10月31日には「多摩川クラシコ」で決勝ゴールを奪い、まだまだ第一線でプレーできることを証明しながらも、翌日に現役引退を発表していた。

「選手各々にとっても、辞める時期はそれぞれの美学があって、ボロボロになるまで辞めない人がいれば、中田英寿選手みたいにスパッと辞める人もいて色々だと思う。個人的な意見としては、憲剛さんみたいな辞め方は格好いいなと正直思った」

 現在の代表は、新型コロナウイルスの影響もあり、海外組だけでチームが組まれているが、普段の代表でも海外組が占める割合が年々増えてきている。しかし、中村は川崎F一筋でプレー。それでも代表の中で“違い”を生み出してきた。「代表の中でも確固たる技術を持っていた選手」と中村を評した吉田は、「ヤットさん(遠藤保仁)と同じように、日本で長くプレーしていても代表でプレーできる、代表の中でも突出したものを出せると証明した選手だった」と続けた。

 中村のセカンドキャリアについては「知らない」と答えつつも、「川崎フロンターレやJリーグに携わってくれるんだろうと思うし、今後もサッカー界にいる限り、僕や他の選手に影響を及ぼす存在になってくれると思う。僕もまだまだ中村憲剛から学ぶことはあるし、若い世代はもちろんそうだと思うので、引き続きよろしくという感じです」と語っている。

(取材・文 折戸岳彦)

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