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「興國を止めた」大阪桐蔭、4戦目の初失点で姿消す:大阪

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大阪桐蔭高はCB田中柊利主将中心に堅い守りを見せたが……

[11.7 選手権大阪府予選準決勝 大阪桐蔭高 0-1 金光大阪高 ヤンマー]

「興國を止めた」チームは、準決勝で無念の敗退となった。3年ぶりの全国大会出場を目指した大阪桐蔭高は、今大会初戦から3試合連続無失点。準々決勝ではJ内定4選手を擁した前回王者・興國高を1-0で破り、連覇を阻止している。

 準々決勝までの3試合で得点数は2と楽な戦いではなかったものの、前回王者の進撃を止めて迎えた準決勝。粘り強く守ってセットプレーで勝負する金光大阪高の縦への速い攻撃やロングスロー、FK、CKをCB田中柊利主将(3年)やGK板敷洸大(3年)、CB小林柾輝(2年)らが凌いで無失点で試合を進めた。

 攻撃面ではMF緒方章吾(3年)が多くボールに絡みながら、後方からゆっくりとビルドアップ。FW西優人(3年)の1タッチパスなどから攻撃をスピードアップしようとする。

 前半20分には、相手のクリアミスをインターセプトした西が右足シュート。こぼれ球にMF山上新平(3年)が反応する。ボールを支配し、相手の状況を見ながら攻撃を続けた大阪桐蔭は前半アディショナルタイムにも決定機を作り出す。右SB深澤壯太(3年)の右CKからファーサイドの田中がクロスバー直撃のヘッド。だが、1点を奪うことができなかった。

 永野悦次郎監督も「前半で仕留めたかったですね。それが心残りですね」と悔やんだように、先行できなかったことで苦しい試合展開になってしまう。後半立ち上がりにセットプレーのこぼれ球を押し込まれる形で失点。その後は、スペースを見つける目と技術力が印象的なMF室勇志(2年)ら交代カード5枚を使い切って反撃した。

 だが、後半10分に深澤の放った右足シュートが枠をかすめ、また21分のシュートがブロックされるなどゴールが遠い。相手の2本を大きく上回る9本のシュートを放った大阪桐蔭だったが、1点に泣いて準決勝敗退となった。

 永野監督は「こういう状況なので3年生を使ってやりたい」という理由もあって3年生10人を先発起用。責任感のある3年生がエネルギーを持って戦い、後半に勢いのある下級生たちへスイッチしていくプランだったという。

 チーム一丸となって戦い、準々決勝で今年の注目校・興國を撃破。だが、「勝ちたい」「負けたくない」という思いが強すぎたか、この日の前半はやや後ろに重い展開となって仕掛け役の選手たちが本領を発揮できなかった。そして、今大会初失点が響く形で敗戦。好チームはファイナルを前に姿を消した。

(取材・文 吉田太郎)
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