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2年生の強力FW鈴木勝ち越し弾も…全国ルーキー優勝世代の阪南大高は大阪準決勝で涙

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後半26分、阪南大高は2年生FW鈴木章斗のゴールで勝ち越したが…

[11.7 選手権大阪府予選準決勝 阪南大高 2-3 履正社高 ヤンマー]

「相手の良さもあって、それにどうウチが策を持って行くかという狙いでした。やることはやったし、選手もそれに焦らずにやったところがあったので……」。

 阪南大高の濱田豪監督は選手たちが80分間やるべきことを焦らずにやり通したことを認めていた。選手層の厚い履正社高から2度のリードを奪い、白星を掴みかけたが、残り10分間で2失点。悔しい逆転負けとなった。

 相手が波に乗りかけた前半9分、阪南大高は中盤右サイドでのインターセプトから左へ展開する。そして突破口、MF小西宏登主将(3年)が縦に仕掛けてからラストパス。最後は10番FW田中大智(3年)が右足を振り抜き、ファーストシュートでリードした。

 履正社FW神田拓海(3年)にファインゴールを決められて同点に追いつかれたものの、相手の中盤に上手くプレッシャーをかけてパスワークを出させない。逆に前線で抜群の強さを見せるFW鈴木章斗(2年)や小西、司令塔のMF河上愛斗(3年)といったストロングポイントを活用しながら攻撃。そして、前半半ばから選手交代で配置を変えながら自分たちのペースへを維持し続ける。

 そして後半26分、交代出場MF田井光(3年)が右サイドを縦に仕掛けてクロス。ゴール前で強引にDFの前に出た鈴木が1タッチで合わせて勝ち越した。2年生の強力FW鈴木が決めたゴールで再びリード。だが30分、ゴールキックという判断でボールをプロテクトしながら、これがCKの判定となってしまう。

 そのCKから同点ゴールを奪われると、32分にもゴール前で体勢を崩した履正社FW廣野大河(2年)からインターセプトすることができずに勝ち越し点を奪われてしまった。この日初めてリードを許した阪南大高は、前線にボールを集めて反撃。鈴木が強烈なシュートを放つなど攻めたが、3点目を奪うことはできなかった。

 今年は新型コロナウイルスの影響で活動が制限された。濱田監督は「今年この状況で全く遠征もできていない。(対外試合が限られると)試して、やられてという繰り返しができない、(その中でも準備してきたが)勝ち切れなかったですね」と無念の表情。互角以上とも言える戦いを見せたが、決勝への切符を勝ち取ることはできなかった。

 阪南大高の3年生は18年の全国ルーキーリーグ交流大会で優勝。大会MVPに輝いた河上や小西、田中、CB東野楓馬(3年)、田井らがこの準決勝のピッチに立って奮闘した。当時、「インターハイ、選手権での日本一」「(決勝で対戦した流通経済大柏高に)次やった時に負けないように練習にしっかり取り組んでいきたい」と語っていた選手たちだが、全国での躍動は鈴木やCB西田祐悟(2年)ら後輩たちに託す。

(取材・文 吉田太郎)
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